2022.01.03

LIFESTYLE

外観からは内部がまったく想像できない驚きの住宅! 人気建築家が自邸で表現した「素敵な未来」の空間とは


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カラフルな内部空間と対照的なチャコールグレーの外観は、周囲の街並みに溶け込むだけでなく、ガレージに停められた、赤いBMW Z1(1989年製)とバイクのBMW K1(1989年製)にマッチさせたもの。2台の89年式BMWは、若くて多感な時期に憧れていたモデルだ。K1には25年近く乗っている。一方Z1は2年前にやってきた。緑色のモデルが多い車種だが、「赤でなければ手に入れなかった」という。Z1は、ドアが下がって乗降しやすくなるうえ、下げて走ることでよりスピードが感じられるように考えられたモデル。2台が収まるガレージは、このドア形式を勘案してタイトに設計されている。他のクルマなら入らない。できれば一生乗り続けたいとか。意外だったのはドアが下がるうえにヘルメットが不要なので、バイクのK1よりもZ1の方が風を受け、よりスピードを感じること。高速道路では相当な体感速度になり、助手席に乗る奥様はたいていドアを上げているそうだ。

Z1とは別に普段使いしているのが、並行輸入したシトロエン・カクタスC4ディーゼル(2016年製)だ。オリジナリティ溢れるデザインに惹かれ選んだもので、MT仕様に拘った。通勤に、家族のスキー旅行にと活躍している。



さて、寺田さんは紙で作った1/100の世界「テラダモケイ」を制作・販売している、プラモデル好きとしても有名だ。リビング・ダイニングの壁のちょうど目の高さの位置に展示ケースを埋込み、プラモデルの艦船に加え、歴代の愛車を色まで揃えて飾っている。学生時代に乗った最初のクルマ、フォルクス・ワーゲン・ビートルは、グラフィック・デザイナーであるお父様からのアドバイスを受けて選んだもの。続いてオーストラリア勤務時代のフィアット126。ロンドンに留学していた頃のシトロエン2CV。戻ってきてからのアウディTT。子供が生まれてからのニュービートル・カブリオレ。そして今のカクタスC4とZ1が並べられている。なんともスタイルのあるクルマ遍歴だ。



そして将来乗るクルマとして置かれているのが、映画『ブレードランナー』に登場したポリススピナーのミニカー。映画の設定は2019年で、クルマは空を飛んでいた。SF映画が描いたような未来に、現実はなかなかならない。将来のことと言えば、コロナ禍のためご両親の引っ越しは少し遅れ、ちょうど本誌が出る頃になるとか。テラダハウスに、素敵な未来がやってきますように。







寺田尚樹:建築家/デザイナー
英国建築家協会建築学校を修了後、自身の建築・デザイン事務所を設立。住宅やオフィスビルなどを手掛けるだけでなく活躍は多岐にわたる。インテリアの仕事として洗足学園音楽大学 ブラックホール、プロダクトとして1/100スケールの「テラダモケイ」シリーズ、グッドデザイン賞を受賞したアイスクリームのスプーン「15.0%」などが良く知られている。

文=ジョー スズキ 写真=田村浩章

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(ENGINE2022年1月号)

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