2022.01.18

CARS

ステップワゴンの追撃を許さない 新型トヨタ・ノア、ヴォクシーが渾身のフルモデルチェンジ

新型ホンダ・ステップワゴンのお披露目から1週間、トヨタの売れ筋ミニバン、ノアとヴォクシーがフルモデルチェンジを果たした。ノアはFRプラットフォームを用い、タウンエースの名を冠していたモデルから数えて5代目、ノアが単独名称になり、同時にヴォクシーが追加されてから4世代目となる。

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再びノアとヴォクシーの2モデル体制に

トヨタは現在、ボディの骨格やパワートレインなどの基本構造が同一だが、デザインの一部だけが異なる、いわゆる兄弟車と呼ばれるモデルの統合を図っている。そのため、ノア、ヴォクシーにエスクァイアを加えた3兄弟もフルモデルチェンジを機に統合され、ノアだけになるというウワサも出た。しかし最終的には、エスクァイアは終焉を迎えたものの、ノアだけでなくヴォクシーも継続され、2モデル体制が採られることになった。



精悍なイメージをアップ

エクステリアはノア、ヴォクシーともに高い人気を博し、好調な販売を記録した先代のイメージを踏襲。ノアは太い横長のバーが特徴的なフロント・グリルを拡大し、押し出しの強さをアップ。ヴォクシーも上にヘッドライト風のLED式デイタイム・ライト、下にヘッドライトを持つ2段構造のライト・デザインを継承しつつ、ノア同様、グリルを左右に大きく拡大することで精悍なイメージをさらに強調している。リアはテールライトを縦長から横基調のデザインに変更。これによりイメージの刷新だけでなく、荷室開口幅の拡大も果たしている。



ヴォクシーはエアロ仕様に1本化

また、これまでノアとヴォクシーは標準仕様とエアロ・パーツを装着したエアロ仕様とも呼ばれる2種類のボディ・バリエーションが用意されていた。しかし、新型ではノアは先代同様、標準仕様とエアロ仕様が設定されるが、ヴォクシーはエアロ仕様の1タイプのみに変更されている。



ボディ・サイズは全長4695mm×全幅1730mm×全高1895mm。エアロ仕様はすでに3ナンバー化されていたが、新型からは標準モデルも全幅が拡大され、全モデルが3ナンバー・サイズになった。2850mmのホイールベースは全長同様に先代から変わっていない。プラットフォームはプリウスやカローラと同じモジュラー・タイプの「GA-C」を採用している。



ロングスライドで快適な居住スペースを実現

室内は、シート構造を一新したことで2列目が左右独立2座のキャプテン・シート仕様は横方向へスライドすることなしに745mmの前後ロングスライドができるようになり、新設定のオットマンと合わせてよりリラックスできる居住空間を実現。同時に、サイドテーブルやウォークスルーの使い勝手も向上している。また、左右跳ね上げ式の3列目は固定用のフックが廃止され、ワンタッチで収納と展開が可能になった。さらに動力を用いないで展開と収納を行う格納式のサイドステップやバックドア無段階停止機構、子供でもつかみやすいアシストグリップの採用など、重量やコストの増加を最小限に抑えつつ、利便性の向上を図っている。



新世代ハイブリッドを搭載

パワートレインは先代同様、2.0リッター直4ガソリンと、1.8リッター直4ガソリンにモーターを組み合わせたハイブリッドの2種類。2.0リッター・エンジンは最新型に刷新され、出力は先代比で18ps/9Nmアップとなる170ps/202Nmを発生する。変速機は10段ステップ変速が可能なCVTを搭載。WLTC燃費はクラス最高水準という15.1km/リッターをマークする。

これまでトヨタのハイブリッドシステムはプリウスのモデルチェンジごとに世代交代してきたが、今回はその慣例が覆され、第5世代システムと呼ばれる最新型が新型ノアとヴォクシーで初めて導入された。エンジンは先代と同形式だが、モーター出力向上やトランスアクスルの小型化、バッテリーの小型と高出力化など、改良はシステム全域に及んでいる。また、ノアとヴォクシー初採用のハイブリッド4WDも、後輪駆動用モーターの出力を現行プリウス用の5.6倍に引き上げるとともに、新たな制御技術を導入している。



渋滞時はステアリング操作も支援

また、運転支援システムとコネクティッド・サービスを含むインフォテインメント装置は2021年に登場した新型レクサスNXで初めて採用された最新のものをトヨタ車として初採用。運転支援システムでは緊急ブレーキはもちろんのこと、アクティブ・クルーズコントロールや渋滞時にスロットルやブレーキだけでなくステアリング操作も補助する「渋滞時支援」を設定、インフォテインメント装置では通信型ナビや車内Wi-Fi、音声認識機能なども用意する。

価格は、ノアが267〜389万円、ヴォクシーが309〜396万円なっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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