1959年型のロータス・エリートとミニ・クラブマンと中山さん。
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「クルマも好きだけど、それ以上にひとが好きなのかもね」。ロータス・エリート(1959)を終のクルマとしミニ・クラブマンなど200台を乗り継いだ中山隆範さん。若かりし頃から夢を持ち続け、目標のクルマを1台1台手に入れてきた努力のひとは、数多くのクルマとクルマ好きとともに過ごしてきた人生を、そう振り返った。エリートに一目惚れしたのは65年前福岡からクルマで約1時間。大村湾を挟んで長崎空港の対岸あたりに、目指すコンクリート打ちっぱなしのガレージ・ハウスは建っていた。使い込んで味わいのあるC180ステーションワゴンと綺麗なCLAという2台の新旧メルセデス・ベンツの横をすり抜け、シャッター横の扉を開くと、鮮やかなウェッジウッド・ブルーのロータス・エリートと、木枠の付いたグリーンのミニ・クラブマンが出迎えてくれた。
「遠くから“爺のおもちゃ箱”へようこそ。クルマとウェッジウッドの花瓶がよく似合っているでしょう。この花、僕が生けたんだよ」そういって笑うのは中山隆範さん。このガレージ・ハウスの主であり、終のクルマとしてエリートを手に入れた、生粋の趣味人である。現在79歳の中山さんがエリートに一目惚れしてしまったのは、もう65年近く前のことだ。「うわっ! これって、なんちゅうクルマかね!?」友人に見せてもらった小さなエリートのミニカーとの出会いが、中山さんのクルマ趣味の起点になった。そして国産車のメカニックとして働きながら、気になる欧州の自動車会社へ直接手紙を送り、カタログを少しずつ集めた。ポルシェもロータスもメルセデス・ベンツもジャガーも、若き中山さんの熱意に応え、当時の最新モデルの資料を送ってくれた。プロトタイプだったポルシェ901や、300SLのカタログもあった。1000冊ほど集めたが、多くは同好の士に委ねたという。そんな中山さんの最初の愛車になったのは、エリートと同じ2ドア・クーペのマツダのR360だった。それがホンダS600クーペに変わる頃には販売の現場に飛び込むことになり、クルマの世界にさらに深く関わるようになる。
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