2022.04.02

CARS

変えるべきは顔より中身! マツダ流マイナーチェンジでロードスターはどう変わったのか 

マツダ・ロードスター990S

全ての画像を見る

advertisement


正直なところ、これは実際に体験してみないと、どんなものなのか想像がつかない。今回の試乗会では、リトラクタブル・ハードトップを持つRFのRSグレード、ソフト・トップのSレザー・パッケージ、そして、今回新たに加わった特別仕様車で、もうひとつの目玉である990Sの3台に乗ることができた。

最初に乗ったのは豪華仕様のRFのRSモデルで、しかもブレンボ製ブレーキなどオプションまでついた総額430万円もする個体だったが、これが以前の印象とはまるで違うくらいに素晴しい乗り味を持っているのに驚かされた。KPCを抜きにしても、年次改良を重ねたことにより熟成されたことが、走り出してすぐにわかるくらいにボディのシッカリ感も走り全体の洗練度も増している。

しかし、本当に驚いたのは、伊豆スカイラインのコーナーを曲がり始めて、なるほどKPCの効果というのはこういうことかと体感した時だった。確かに旋回中の安定感が増して、その分、曲がる気持ち良さまでもが明らかに大きく増している。実は、自動安定装置をオフにするとKPCも切れてしまうから、その効果がどの程度か、簡単に比較することができるのだ。なし、だと、いつものロードスターらしいお尻のムズムズ感があるから、すぐに違いがわかる。正直言って、自動安定装置オフでサーキットを走るような時だって、KPCの効果は大きいはずだ。それなのに使えないのはボッシュ側の要請によるものらしいが、ぜひ使えるようにしてもらいたいものだ。

それはともかく、このKPCは質量が大きいクルマの方が効果が大きいということが、次にSに乗り換えて分かった。80kg軽いSでは何度もオン・オフでコーナリングしてみても、RFほど大きな違いは感じられなかったのだ。ところが、最後に乗った一番軽い990Sでは、これはやっぱりKPCがあった方が安定して気持ちいいという実感を得ることができた。バネ下重量を低減し、足まわりを専用セッティングにしてあることと何か関係があるのかも知れないが、そこはよく分からない。

それにしても、KPCの恩恵を一番受けているのがRFなのは間違いない。この技術、今後、マツダのもっと大きなクルマに転用されるとしたら、面白いことになりそうだ。

文=村上 政 写真=柏田芳敬

オプションでブレンボ製ブレーキとBBS製鍛造アルミホイールが奢られていた。


■マツダ・ロードスター990S
駆動方式 エンジン・フロント縦置き後輪駆動
全長×全幅×全高 3915×1735×1235mm
ホイールベース 2310mm
車両重量 990kg(前軸520kg:後軸470kg)
エンジン形式 直噴直列4気筒DOHC
排気量 1496cc
ボア×ストローク 74.5×85.8mm
最高出力 132ps/7000rpm
最大トルク 152Nm/4500rpm
トランスミッション 6段MT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前/後)ブレンボ製大径通気冷却式ディスク/ディスク
タイヤ(前後) 195/50R16
車両本体価格(税込み) 289万3000円

(ENGINE2022年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement