2022.04.14

CARS

シャキッと変貌したアメリカンSUVの王! キャデラック・エスカレードに5人のモータージャーナリストが乗る【2022年エンジン輸入車大試乗会】

キャデラック・エスカレード・プラチナム

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。泣く子も黙る巨大なアメリカン・フルサイズSUVの最高峰、キャデラック・エスカレードには、国沢光宏、山崎元裕、渡辺敏史、今尾直樹、藤島知子の5人のジャーナリストが試乗した。

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ついに4輪独立懸架のサスペンションへ

キャデラックのフラッグシップSUV、新型エスカレードは2021年1月に上陸した。5代目となる新型は、従来リジッド・アクスルだったリア・サスペンションをマルチリンクとし、ついに4輪独立懸架となった。さらに、エアサスを採用することなどにより、乗り味は旧型に比べてとても上質になった。全長×全幅×全高=5400×2065×1930mm。ホイールベース=3060mm。車両重量=2740kg。6.2リッターV8(416ps、624Nm)は10段ATと組み合わされ、巨体を痛痒なく加速する。36個のスピーカーを備えるAKG製オーディオ・システムの迫力あるサウンドも魅力だ。プラチナムは1555万円~、スポーツは1595万円~。



乗り味もオーディオも歴代最大級の破壊力/国沢光宏


キャデラックは新型車に乗る度に「いいなぁ。いちど自分のクルマにしてみたいなぁ」と思うのだけれど、新型エスカレードときたら歴代モデル最大級の破壊度を持ってましたね。そもそもエスカレードというモデル、トラックベースだったため、乗り味が超アメリカンだった。シンプルに表現すると「いろんな意味で緩い」。なのに新型のハンドルを握ると「本当にフレーム構造なの?」と思うくらいシャッキリしている。ボディ・サイズの巨大なSUVといったイメージ。サイズについちゃ隣に置いたベントレーのベンテイガが小さく見えるほどですけど何か(笑)。腰が抜けたのはAKGが初めて作ったクルマ用のオーディオで、28チャンネル36スピーカーというメチャクチャ凝ったシステム。鳴らしてみたら、もう私メロメロです! 歴代のクルマでダントツと断言しておく! こいつを聴くと最近のキャデラックのBOSEは少しブランドに頼っちゃったのかな、と思う。音楽好きならぜひともエスカレードでお気に入りのアメリカンポップスをフルボリュームで聴いて欲しい。日本の曲は少し合わないかもしれません。

デジタル・メーターとインパネ中央の大型液晶パネルが未来的な印象を与えながらも、室内全体では高級感が漂うインテリア。素材や仕上げもとても上質で居心地がいい。2列目がキャプテン・シートとなる2-2-3の7人乗り。


ブランドで唯一英数字の車名を持たないことには理由がある/山崎元裕

自由と正義の国、アメリカにおける成功の証、その1つは21世紀を迎えた頃から、このキャデラック・エスカレードになった。現在のキャデラックは、そのネーミングにアルファベットと数字による、それだけでボディ・スタイルや車格の予想はできるものの、何の感情移入もできない車名を与えている。だが、1999年誕生のエスカレードだけが別なのは、やはりキャデラック自身が特別なモデルと考えている表れなのだろう。日本で見るエスカレードは、やはり数あるSUVの中でも特別な存在感を持ち合わせている。まず誰もが圧倒されるのは「もう聞き飽きたよ」と言われるかもしれないが、そのボディ・サイズ。全長は5400mm、全幅と全高は各々2065mm、1930mmに達するから、ある程度は道にも駐車場にも選択の必要が生まれる。それでもいいじゃないか。あのロールス・ロイス・カリナンさえ超える大きさのSUVに、416psのV型8気筒OHVエンジンの組み合わせ。キャビンには非接触充電型のスマホ・ホルダーはおろか、冷蔵庫さえ備わる。思わず旅に出たくなる1台だ。


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