2022.04.11

CARS

新世代のひと言では足りないくらい新しい BMW iX xDrive50に5人のモータージャーナリストが乗った【2022年エンジン輸入車大試乗会】

BMW iX xDrive50

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。今までのBMWらしさというより、デザインテイストを刷新しイメージを変えて登場した新世代のBEV、iXには、嶋田智之、山崎元裕、生方 聡、国沢光宏、島崎七生人の5人のジャーナリストが試乗した。

iで始まるBMW電動車シリーズの最新BEV

i3とi8に次ぐ、BMWの新たな電気自動車専用モデル、iX。BMWで最もスリムだというヘッドライトや、4シリーズに似た縦長の大型キドニー・グリルなどにより、既存のBMWモデルと異なる雰囲気を演出している。パワートレインは前後に1つずつ配置、前258ps/365Nm、後313ps/400Nmを発揮するモーターを2機搭載し、4輪を駆動する。システム出力は523ps/765Nmで、変速機は1段固定。駆動用リチウムイオン・バッテリーの容量は303Ah/111.5kWh、航続距離は650km。全長×全幅×全高=4955×1965×1695mm。ホイールベース=3000mm。車両重量=2560kg。0~100km/h加速は4.6秒、最高速度200km/h。車両本体価格1116万円。



いいモノ感たっぷりで駆け抜ける歓びも健在。驚きの完成度!/嶋田智之


うわっ、凄いのを作ってきたなぁ……というのが、率直な感想。BMWが次世代のクルマを模索してきた末に誕生したiXは、結果としてパワートレインが前後にひとつずつモーターを持つピュアEVになったということだけど、その完成度に驚かされた。システム全体で523psに765Nmというアウトプットは2.5トンを越える車体をドカーンと加速させるし、アクティブ・ステアリングの効き目もあって、重くて背高なボディをあっさりコーナリングさせる。それも低重心の気持ちよさと、e4WDが演出する後輪駆動感を感じさせながら。さらにいうなら、すべてに渡って0と100の中間に濃密な中間というものが確固としてあって、ゆえにデジタルな感触が希薄。違和感がほとんどないのだ。しかも内装は先進的かつゴージャスで、乗り心地も快適至極。いいモノ感たっぷり。駆け抜ける歓び? あるある。全力である。BMWらしい魅力はたくさんあるのだ。ないのは自分の駐車場や家の近くや必要な場所に設置されていてほしい大容量充電器の方である。

 ステアリング・ホイールは六角形。12.3インチのメーターパネルと14.9インチのセンター画面を一体化した量産車初の曲面ディスプレイを採用している。無音の電気自動車で走りを演出する音を発生させるデバイスを装備する。

未来を感じるのに最も適切な存在/山崎元裕

BMWは、欧州の自動車メーカーとしては、かなり早い時期からBEV(電気自動車)の開発に取り組んできたメーカーだ。そのBMWが数あるプロジェクトの中から次世代の自動車を模索した結果誕生したのが「iX」。パワートレインにBEVを選択し、同時に未来を予感させる内外装のデザインを構築。新世代の操作系コンセプトや運転支援システムなど、現在の段階で我々が未来を感じるには、このiXは最も適切な存在だ。確かにiXのドライブは楽しかった。巨大化したキドニー・グリルはBMWファンの間では賛否両論あるところだが、これはもはや完全な装飾部品。しかしその内側には、きわめて優秀な先進運転支援システムが搭載されており、実際の走りの中でその制御に不安を感じることもほぼ皆無だった。前後に各々モーターを備える4WDのiXはまた、どのようなシチュエーションでも抜群の安定性を見せる。これは112kWh分のバッテリーを床下に配置するBEVならではの特長。WLTCモードで650kmという航続距離の長さも大いに魅力的だ。



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