2022.04.26

CARS

300馬力の過激なFFをMTで操る快感! ルノー・メガーヌR.S.トロフィーMTに5人のモータージャーナリストがイッキ乗り!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

ルノー・メガーヌR.S.トロフィーMT

全ての画像を見る

advertisement


続いて、生方 聡、岡崎五朗、九島辰也の3名のインプレッションだが、みな特徴的とも言える運転時の楽しさを大きく取り上げている。ルノー・スポールならではの過激さ、強烈さ、そして特別感を3名が思い思いに語ってくれた。

クルマ好きなら手元に置いておきたい1台/生方 聡

いくつになっても、心躍るキーワードがある。ホットハッチ……実用的なコンパクトカーに秘伝のスパイスをふりかけて、走り優先に仕立てた熱いスポーツモデルだ。このジャンルは、昔からフランスが強く、実際、いまの時点で一番熱いのは、このメガーヌ R.S.ではないだろうか。なかでもこのトロフィーは、OZのTROPHYやBremboのレッド・キャリパー、ドアを開ければレカロのセミバケットシートと、走り出す前からその気にさせてくれるアイテムが盛りだくさん。そのうえこのクルマは6段マニュアルに、いまやこのクラスでは珍しい手動式のパーキング・ブレーキが備わるのも見逃せない。アクセルを踏むだけで楽に運転できるクルマとはワケが違う。そのぶん、気持ちよく走らせられたときのうれしさは段違い。ルノー・スポール伝統のキレのあるハンドリングはFF車ナンバーワンの出来だし、300psを発揮する1.8リッターターボがもたらすパンチある加速は痛快そのもの。それでいて、パワーもサイズもちょうどよくて、今後どんな時代になっても、クルマ好きなら手元におきたい1台だ。



目から鱗が落ちるフランス製の荒くれ者/岡崎五朗

メガーヌ R.S.トロフィーは、シビック・タイプRとFF最速の座を争う生粋のホットハッチだ。欧州製の高性能ハッチバックというとゴルフGTIやゴルフRを連想する人が多いと思うが、荒くれ者という表現がピタリと当てはまるこいつと比べればゴルフは滅法快適で洗練されたGTカー。高過給ターボ・エンジンに付きもののターボ・ラグは小径タービン、ツインスクロール方式、フリクションの少ないセラミック・ボールベアリングなどで低減しているが、低中回転域からアクセレレーターをガバッと踏み込むと一瞬間を置いて強烈な加速Gが立ち上がる。クルマのキャラクターを考えればむしろこの特性は歓迎されるだろう。強烈なパワーを路面に伝える術としては、締め上げた足で姿勢変化を最小限に抑えつつ、フロントに組み込んだトルセン式LSDを活用。このLSDは強めのトルクステアと引き換えに強烈なトラクションで300psをお構いなしに路面に伝え速度に変えていく。FFのスポーツカーなんて、と思っている方にこそ試乗していただきたい。目から鱗が落ちるはずだ。

インテリアにおける通常版のR.S.とR.S.トロフィーの違いは主にシート。R.S.はシートヒーター内蔵のスポーツ・シートだが、R.S.トロフィーは写真のアルカンタラが貼られたレカロ製のバケット・シートが標準装備となる。

想像の域を超えるレベルの非日常感が最高だ!/九島辰也

ヨーロッパ・メーカーは基本的にレース好きである。フィアットやプジョー、そして今回ステアリングを握ったルノーといった大衆車ブランドでさえ、レーシーなハートを隠しきれない。で、その想いが溢れ出てしまったのが、メガーヌ R.S.トロフィーのようなモデルだ。単なるヨーロピアン・ハッチバックの最上級モデルと思ったら痛い目に遭いそうなくらい、刺激的にできている。想像の域を超えるレベルだ。

ナニがそんなに刺激的かと言えば、すべて。エンジン・スタートからのサウンドと、クイックなパワステのセッティング、アクセレレーターとブレーキの反応の良さもそうだ。試乗車はMTだったので、そのフィーリングもそう。動かすたび手のひらにレーシーさが伝わってくる。もちろん、そこには言わずと知れたニュルブルクリンクFF最速どうのこうのと言う開発者の熱いハートが存在する。その想い、ハンパない。そしてそれが商品化されマーケットで広く受け入れられているのだから恐れ入る。R.S(ルノースポーツ)の非日常感は最高だ!



写真=郡 大二郎(メイン)/茂呂幸正(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement