2022.06.26

CARS

ロードスター譲りの人馬一体感 マツダの新型SUV「CX-60」のプロトタイプに試乗!

試乗車はCX-60欧州仕様のプロトタイプ

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PHEVの運転席に着き、スタートボタンを押してまず驚かされたのは、スイッチを入れても電源がオンになるだけのはずなのに、どこからかエンジン音のようなものが聞こえてくることだ。そしてアクセレレーターを踏んで走り始めると、その音がまるで吹け上がるように速度に応じて高まるようになっている。

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ラージサイズでも人馬一体感

さらに踏み込んで速度を上げたところで本当にエンジンが掛かるのだが、その前からエンジン(のような)音が聞こえているから、よく耳を澄まさないとどこで掛かったかわからない。



これはまさに“オレ流”のマツダらしいEVの作り方だと思った。これまでのEVはどれも、私はEVよ、とアピールするかのように、ヒューンといういかにも電気仕掛けの機械らしい音を出していたが、マツダは逆にそれを隠そうとしているのだ。

さらに、ステアリングが昨今の中型SUVに比べてかなり重めのスポーティなセッティングになっているのにも驚いた。走っていると、明らかにクルマの重心が低いことや前後の重量バランスが優れていることが感じられる。それゆえ、大きなボディを持つにもかかわらず、ドライバーの思い通りにクルマが動いてくれて人馬一体感が強い。

写真のドアミラーに青い筋が入っているのがe-SKYACTIVE Dで、緑の筋が入っているのがe-SKYACTIVE PHEV。ボディ・サイズは共通で、全長×全幅×全高=4742×1890×1691mm、ホイールベース=2870mm。車両重量は未発表だが、エンジニアの話では、Dが1900kg、PHEVが2050kgほどだという。

最初から、新型ロードスターに導入されたリア・サスペンションのアンチダイブジオメトリーを利用したキネマティック・ポスチャー・コントロールありきで設計したというシャシーも、コーナーでのフラット感を出すのに大いに貢献しているようだ。正直なところ、マツダの考えるラージ商品群というのは、こんなにスポーティな仕立てなんだ、ということに、今回の試乗で一番驚ろかされた。


ディーゼルの方は、まるでガソリンのように気持ち良く回るのに感心したが、全体的な仕上がりは、まだ7割だからなのか、PHEVに比べるとやや粗削りに思えた。

とはいえ、マツダの“オレ流”はもしやアインシュタインに化けるかも、と期待したくなる試乗会だった。



文=村上 政(本誌) 写真=マツダ

(ENGINE2022年6月号)

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