2022.04.29

CARS

新型Cクラスにハズレなし! 値段も中身ももはやちょっと前のEクラスか!?【続々日本上陸を果たす新型メルセデス・ベンツCクラスにイッキ乗り! 後篇】

右からC220dステーションワゴン、C220d 4マチック・オールテレイン、C200アバンギャルド、C220dアバンギャルド。

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2021年に5代目へと進化を遂げたメルセデス・ベンツCクラスの4台に、先代や先先代のCクラスに乗るジャーナリストの面々がイッキ乗りする企画の後篇。スポーティになった乗り味が話題になった前篇に続く今回の後篇では、ベンツ伝統の使い勝手について意見が交わされた。その模様を、高平高輝、藤原よしお、竹花寿実に加えてCクラス・ワゴンに乗るカメラマンの茂呂幸正の4人の座談でお伝えする。

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ディーゼルの燃費に驚愕

藤原 色々言いたいことはありますが、このクラスのセダン&ワゴンとして新型は実に良い仕上がりになってましたよね。

高平 それはもちろんですよ。何よりインフォテインメントとかADAS(先進運転支援システム)とかはダントツで最先端レベルにある。センター・ディスプレイを見ました? カメラの視点を360度変えられて、見たいところをズームできるし、夜でも精細で明るい。これはすごい。

巨大なメーターナセルがなくなり、コンパクトなディスプレイに変わったことで前方視界は先代よりも良好。

竹花 しかもユーザー・インターフェイスがいい!

藤原 なんの説明もなくいきなり乗っても、ちょっと触っているうちに自然と理解できる。

竹花 メルセデスのMBUXは相当出来がいいです。

高平 ただし、AMGラインのステアリングは使いにくい。

藤原 握りが太すぎるんですよね。標準の方が丸いし使いやすい。



竹花 一方で身長を入力するとドライビング・ポジションを調整してくれる機能があるのですが、最初は違和感があるけど、乗っているうちにすごく快適で、ここがベスト・ポジションだと感じるようになった。

高平 ドライビング環境の違和感はなかった。ここ何世代かの中で一番ちゃんとしてますよ。

藤原 全体的にゆとりを感じますよね。実際ホイールベースが長くなっていて物理的にも広くなってるし。

茂呂 荷室も少し大きく長くなってますね。W205ではギリギリだった長尺物がW206では余裕で入る。

竹花 空力の影響で、ちょっと後席の空間がタイトですけど。

高平 そのおかげもあってディーゼルの燃費はとってもいい。

C220dステーションワゴン・アバンギャルドはAMGライン付きで前225/45R18、後245/40R18のグッドイヤー・イーグルを履いていた。

藤原 ディーゼルのワゴンで200kmほど走ったのですが、終始渋滞だった往路が16km/リッター、流れていた復路は24.5km/リッターでしたよ。車重1.8トン超えでこれは優秀。ISGも黒子に徹してナチュラルですし。

高平 ホント、ディーゼルは仕事とか距離を走る人向けだよ。

藤原 ディーゼル特有の音も振動も気にならない。

竹花 むしろガソリン・エンジンは踏むとうるさく感じませんでした?

藤原 ディーゼルは加速も凄かった。

高平 5~30km/hくらいだとホイールスピンするかってくらいの加速をする。ヨーロッパは内燃エンジンの開発やめたとか言われるけど、結構真剣にやってるんですよ。

竹花 PHEVと比べてもディーゼルが良かった。というのも、PHEVはガソリンより300kgくらい重くて脚がガチガチなんです。アウトバーンでもゴツゴツするなって感じ。でも、本当に電気だけで100km走れる。なので、使い方次第では1回もエンジン回さないってことが十分起こりうるんです。PHEVは今まではわざわざ重たいバッテリー積んでるって言われたけど、CクラスのPHEVなら反対に重たいエンジンなんかいらないよって、なるかもしれない。

実用車としてピカイチ

藤原 個人的に今回の中ではディーゼルのワゴンがいいなぁ。セダンよりしっとり感があったし。あとオプションのシエナ・ブラウン・レザーの内装もオシャレで良かった。

高平 私はC220d。本当はワゴンがいいけど今回はAMGラインだったので。というか本音はなんでもいいんですよ、Cならハズレはない。ただ現段階ではガソリンよりディーゼルの出来が良いと思う。

今回の4台の中では最もベーシックに近いC220dアバンギャルド。

竹花 17インチのC220dが最もメルセデスらしいと思いました。ディーゼルの方が走りの余裕があるし。走りの軽快感とグランドツーリング性能のバランスが最も良かった。あとセダンの方が静粛性が良い。

茂呂 年間2万kmも3万kmも走るから僕はC220dのワゴン。17インチのAMGラインじゃないやつがすごく欲しい! オールテレインもいいけど、ちょっと値段が高い。

藤原 新型Cクラスは大きさといい、値段といい、ちょっと前のEクラスですよね。中身のクオリティも含め。

茂呂 EからCに乗り換えても“降りた”感じはないですよね。

高平 全長4.8mだからもはやEだよ。ちょっと離れてみたら見分けつかない。新型の実用車としてのクオリティの高さはピカイチですよ。

話す人=高平高輝+藤原よしお(まとめも)+竹花寿実+茂呂幸正 写真=茂呂幸正



■C220dステーションワゴン・アバンギャルドAMGライン
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4785×1820×1455mm
ホイールベース 2865mm
トレッド(前/後) 1590/1575mm
取材車車両重量(前後軸重) 1850kg(940/910kg)
エンジン形式 直列4気筒DOHC16V直噴ディーゼル・ターボ
総排気量 1992cc
ボア×ストローク 82.0×94.3mm
エンジン最高出力(モーター) 200ps/3600rpm(20ps)
エンジン最大トルク(モーター) 440Nm/1800-2800rpm(208Nm)
変速機 9段AT
サスペンション形式 前後 マルチリンク式/コイル
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 225/45R18 95Y/245/40R18 97Y
車両価格(税込) 737.6万円

■C220dアバンギャルド
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4755×1820×1435mm
ホイールベース 2865mm
トレッド(前/後) 1580/1590mm
取材車車両重量(前後軸重) 1780kg(930/850kg)
エンジン形式 直列4気筒DOHC16V直噴ディーゼル・ターボ
総排気量 1992cc
ボア×ストローク 82.0×94.3mm
エンジン最高出力(モーター) 200ps/3600rpm(20ps)
エンジン最大トルク(モーター) 440Nm/1800-2800rpm(208Nm)
変速機 9段AT
サスペンション形式 前後 マルチリンク式/コイル
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 225/50R17 94Y/225/50R17 94Y
車両価格(税込) 679.0万円

■C220d 4マチック・オールテレイン
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4760×1840×1495mm
ホイールベース 2865mm
トレッド(前/後) 1590/1590mm
取材車車両重量(前後軸重) 1900kg(990/910kg)
エンジン形式 直列4気筒DOHC16V直噴ディーゼル・ターボ
総排気量 1992cc
ボア×ストローク 82.0×94.3mm
エンジン最高出力(モーター) 200ps/3600rpm(20ps)
エンジン最大トルク(モーター) 440Nm/1800-2800rpm(208Nm)
変速機 9段AT
サスペンション形式 前後 マルチリンク式/コイル
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 245/45R18 100Y/245/45R18 100Y
車両価格(税込) 796.0万円

■C200アバンギャルドAMGライン
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4785×1820×1435mm
ホイールベース 2865mm
トレッド(前/後) 1590/1575mm
取材車車両重量(前後軸重) 1700kg(900/800kg)
エンジン形式 直列4気筒DOHC16V直噴ターボ
総排気量 1494cc
ボア×ストローク 78.0×78.2mm
エンジン最高出力(モーター) 204ps/5800-6100rpm(20ps)
エンジン最大トルク(モーター) 300Nm/1800-4000rpm(208Nm)
変速機 9段AT
サスペンション形式 前後 マルチリンク式/コイル
ブレーキ 前後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前/後 225/45R18 95Y/245/40R18 97Y
車両価格(税込) 683.6万円

(ENGINE2022年5月号)

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