2022.05.22

CARS

フランス車はいまが旬!! DS9、プジョー508SW、シトロエンC5エアクロスSUV、最新高級フランス車3台乗り比べ!【後篇】

DS9オペラ、プジョー508SW GTハイブリッド、シトロエンC5エアクロスPHEVの3台に試乗

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DSの新しいフラッグシップ・モデル、DS9 が日本に上陸したのを機に、基本プラットフォームを共用しながら、まったく違う装いを持つ、プジョー508SW、シトロエンC5エアクロスSUV と乗り比べてみた。前篇に続いて今回の後篇では、核心部分のフランス車3台のそれぞれの魅力について、エンジン編集部のムラカミ、シオザワ、アライの座談でお送りする。

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技術的な解決の仕方がユニークなところが面白い

塩澤 いやぁ、DS9の乗り心地は素晴らしかった。あの乗り心地は今や、メルセデスのSクラスやBMWの7シリーズをある部分では凌駕しているんじゃないかと思ったよ。だって、路面を事前にセンシングして足の硬さを調整する技術なんて、メルセデスがSクラスでやってきたことでしょ。それをフラッグシップとはいえ、乗り出し700万円代のクルマで実現しているなんてフツーじゃ考えられない。



荒井 でも、フランス車って基本は実用車だと思うんですよ。で、なおかつ、歓びをごく限られたお金持ちのためだけに与えるというのではなく、なるべく多くの人にそれを感じてもらいたいという思想が根底にある。DS9がプレミアム・ブランドのフラッグシップだといったってSクラスみたいに大きいわけじゃない。

村上 エンジンなんか1.6リッターの4気筒だもの。横置きのFFだし。

荒井 だから、この、フラッグシップのDS9に乗っても、すごく市民の香りがするクルマだと思いました。

村上 それはまさにフランス車の本質を突いた話だよね。フランス車の代表ともいえるシトロエン2CVは、それこそクルマを運転したことなんかない農夫とその奥さんでも、とまどうことなく簡単に扱えるようにということを目指してつくっている。

フラッグシップ・サルーンにふさわしいラグジュアリー感のあるインテリアを持つDS9。

塩澤 でも、その一方に、1955年のDS19があって、あれは彫刻家でもあったデザイナーのフラミニオ・ベルトーニが描いたデッサンをそのまま職人たちがカタチにしたもので、実用というより、ひとつのアートと言えるようなものになっている。

荒井 いや、DSの良さって、最高の乗り心地を提供するにはどうしたらいいか、とか、機能を突き詰めた結果、ああなったということがあると思う。あの流線型のデザインだって、空力を追求した結果であって、だからこそ床下なんてあの時代にすでにフラットになっている。

村上 確かに、設計したアンドレ・ルフェーブルは飛行機の設計から出発した人だから空力には詳しかったはずだ。それに見せかけだけの流線型をすごく嫌っていたという話もある。そして、他人と同じやり方でやるのがもっとも嫌いだったらしい。結局、ドイツ車が理詰めで速いクルマをつくっていくのとは、ちょっと違う視点でやっているんだろうね。



荒井 今回の特集にも登場するシトロエン好きの長岡亮介さんは、解決の仕方がユニークなんです、と言っていた。そういうことなんだと思う。

村上 たとえば、ドイツ車だったらもっと排気量もパワーもあるエンジンを積んで解決しようと考えるかもしれないけれど、そうはしない。

塩澤 そんなことをしたら、どんどん重くなっちゃうし、足も固める必要が出てくる。だから、それとは別の方法でやってきたのがフランス車の流儀だということなのかな。

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