2022.06.30

CARS

日本への導入はあるか? フィアットのカングー・キラーがフルモデルチェンジ

ルノー・カングーのライバルで、欧州ではフルゴネットやルドルパスと呼ばれる背の高い小型商用車のフィアット・ドブロがフルモデルチェンジ。

ベルランゴ、リフターの兄弟車になった

ドブロは2000年登場の初代から数えて3代目。従来モデルはフィアットのオリジナル・モデルだったが、新型は同じグループのシトロエン・ベルランゴとプジョー・リフター(商用車版の名称はパートナー)共通のメカニズムを用いる兄弟車となった。2021年にベルランゴやリフターに追加された電気自動車(EV)仕様も用意される。生産はステランティスのスペイン工場で行われる。



多彩なバリエーション

ボディ・タイプは全長とホイールベースが異なるショートとロングの2種類を設定。バリエーションは2名及び3名乗車でショートとロングが選べる「バン」と、ショートで2列5名乗車の「コンビ」、ロングで同じく2列5名乗車の「クルーキャブ」の3タイプを用意する。全長はショートが4.4m、ロングが4.75m。全高は標準ルーフが1.8m、ハイルーフが1.84mとなる。3座仕様のバンは助手席外側を倒して長尺物を積載できる「マジックカーゴ」機構を備える。

マジックの名を冠する装備はほかにもある。デジタル・ルームミラーの「マジックミラー」は後方と助手席側面の死角、パーキング・カメラの3視点切り替え式で、後方視界が制限されるバンの視認性を高める。EV仕様のE-ドブロは荷室内に「マジックプラグ」と銘打った電源コンセントを設置する。



EVもラインナップ

パワートレインは3機種4タイプ。ガソリンは1.2リッター直3ターボで110ps/205Nmを発生。ディーゼルは1.5リッター直4ターボのブルーHDiで100ps/250Nmと130ps/300Nmの2タイプを用意。トランスミッションは6段MTのほか、130psディーゼルのみ8段ATも選択可能だ。

また、電気自動車のE-ドブロは136ps/260Nmのモーターを搭載し、最高速度は130km/h。50kWhのバッテリーにより、WLTPサイクルで280kmを超える航続距離を可能にする。また、100kW急速充電使用時には、80%チャージを30分で完了する。

E-ドブロには乗用仕様もラインナップ。全長4.4m、後席が3座独立可倒式となる5人乗りで、テールゲートには独立開閉するガラスハッチの「マジックウインドウ」、シースルーのルーフ・ストレージである「マジックトップ」を装備。オプションで180度カメラの「マジックビュー」を用意するなど、こちらもマジックが目白押しだ。

日本のフルゴネット市場は長い間ルノー・カングーのひとり勝ちだったが、シトロエン・ベルランゴとプジョー・リフターが新たに導入されたことで活性化。カングーは現在、モデル切り替えの狭間で導入が途絶えているものの、旧PSAの2台の販売は好調で、市場の規模は拡大している。そんな注目の試乗にフィアットも新型ドブロで参入するのか? その動向に注目したいところだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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