2022.07.15

CARS

ついにセダンもSUV化!? シトロエンC4 Xは新たな道を切り開くのか。

シトロエンが新型車の「C4 X」を発表した。ファストバック・スタイルの4ドアをSUV風に仕立てたモデルだ。

C4の4ドア・バージョン

2022年1月に日本での販売が開始されたシトロエンC4の名称に「X」を加えたC4-X。多くのメーカーでは「X」はSUV仕様を表すことが多いが、C4自体がSUV仕立てなので、C4のSUV版というわけではない。大きな違いはボディ後端部。C4と同じファストバック・スタイルだが、5ドア・ハッチバックのC4に対して、C4-X独立したトランク・スペースを持つ4ドア・セダンなのだ。



プジョー408とは別モノ

また、先日発表された同じようなスタイリングを持つプジョー408と比べると、ボディがひと回り小さいだけでなく、使用するプラットフォームも異なる別系統のモデルだ。ボディ・サイズは全長4600×全幅1800×全高1525mm、ホイールベースは2670mm。C4よりも全長が23cmほど長い以外はホイールベースを含めてほぼ同等だ。

フロントまわりのデザインはC4と共通する部分が多い。テールライトはC字型の形状で、不等号の記号のようにLEDが光る。前後フェンダーやボディ下部にはSUV風モデル約束の黒いクラッディングを備え、無骨な雰囲気も漂うが、流れるようなルーフ・ラインなど全体的なスタイリングはスマート。Cd=0.29という高い空力性能も備える。最低地上高は156mmだ。



荷室はC4より130リッター大きい

インテリアはデザインも広さもC4に準じたもの。ホイールベースが同一なので、クラストップのニールームを備える後席の居住性もほぼ同等だが、シート・バックを寝かせて座り心地の快適さを高めている。

荷室の容量はC4よりも130リッター大きい510リッターを実現。もちろん後席の背もたれを倒すことができる。後席中央には4人乗車したまま長尺物を積載できるスキーハッチも備える。



EV、ガソリン、ディーゼルのすべてが揃う

パワートレインはC4同様、電気自動車(バッテリーEV)であるe-C4 Xを設定。136ps/260Nmのモーターと50kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載し、0-100km/h加速9.5秒、最高速度150km/hの動力性能と、最大360kmの航続距離を兼ね備える。そのほかに、3種類の出力違いを用意する1.2リッター直3ガソリン・ターボと、1.5リッター直4ディーゼル・ターボを1種類の内燃機関モデルが用意される点もC4に準じている。駆動方式はすべて前輪駆動だ。

1980年代に短命に終わったアメリカのAMCがリリースした「イーグル」が以来、SUV風のセダンで目立った例は長らくなかった。しかし近年、スバルが北米向けのレガシィにアウトバックを設定したり、新型WRX・S4ではSUV風の装飾を採り入れ、また、ボルボ系の電動車ブランドであるポールスターもセダン・タイプの「2」にSUVテイストを盛り込むなど、セダンにもSUV化の兆しが見られる。今秋発売のC4 Xは欧州専売モデルとアナウンスされているが、はたしてこの新ジャンルは定着するのだろうか。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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