ヨーロッパ車オーナーにとって、大きな悩みのタネとなっているのが、窓枠などの金属モールに、いつのまにかできてしまう白サビだ。その原因を究明し、白サビから愛車を守る画期的な技術「アルカリブロックキーパー」が開発された。
「アルカリブロックキーパー」を施工するキーパーラボ事業部の三津原榛樹課長。コーティング技術1級の資格の持ち主だ。ちなみに、カメラ・アングルのためではなく、本当に左利きなんだそうです。
エンジン編集部に来てから、この20年ほどのあいだ、自宅で使うファミリー・カーは、ずっとドイツ車に乗っている。最初に買ったのは2002年型のアウディA4アバントで、ステーションワゴンらしからぬスタイリッシュなデザインがとても気に入っていた。
ところが、そのデザインのポイントでもあるオシャレなアルミ製のルーフレールや窓枠のモールに、いつのまにか白いシミのようなものが大量についているのを発見した時には、本当にショックだった。当時は野ざらしの駐車場に置いていたので、酸性雨のためにアルミが腐食するのだとずっと思っていた。
その後、8年前にメルセデス・ベンツCクラスのセダンに乗り換えてからは、幸いなことに屋根付きの駐車場を確保できたので、あまり気にならなくなっていたのだが、同じCクラスに乗っている知人のクルマを見せてもらうと、白いシミだらけになっているものが多い。やはり酸性雨は大敵なのだと思っていたら、実はなんと、逆のアルカリ性の雨のせいだという話を聞いてビックリ。
で、その原因を究明し、防止する技術を開発したというキーパー技研に、さっそく取材に行ってきた。
1. まずは丁寧な洗車からスタート。ボディと金属モールの状態を細かくチェックする。
2. その結果、フロントのボンネット部分にかなり多くの鉄粉が付着していることが判明。駐車場がT字路のすぐ脇にあり、通るクルマが必ずブレーキを踏むことが原因かもしれない。特殊な粘土を使って鉄粉を除去。
3. 金属モールの状態も、8年経過の割には極めて良好という判定だったが、それでもところどころに小さな白サビが発生していた。
応対してくれたキーパーラボ事業部の三津原榛樹課長によれば、ヨーロッパ車の窓枠などにできる白いシミは、アルカリ雨による「アルミの白サビ」なのだとか。そもそも、メッキ処理がほとんどの日本車などと違い、ヨーロッパ車では金属モールに本物の「アルミ合金」を使っているものが多い。このアルミ合金は、表面をアルマイト処理でサビ止めされており、ヨーロッパで降る酸性雨にはとても強いのだ。
ところが、日本で降る雨には別の特殊な事情がある。すなわち、日本には中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から発生する黄砂が偏西風に乗ってやってくるが、この黄砂はほぼケイ酸塩鉱物で、水に溶けるとアルカリ性のアルカリ雨となり、ヨーロッパ車のアルミ合金のモールを白くサビさせてしまうというわけだ。
キーパー技研が開発した「アルカリブロックキーパー」は、ボディへのガラスコーティングの10倍から20倍もの厚みを持ったコーティングを8時間から1日かけて金属モールに施すことで、アルカリ雨を完全に遮断し、白くサビるのを防止する技術だという。当然のことながら、新車購入時のまったく白サビが付いていない時に施工するのがベストだが、すでに白サビにやられているクルマでも、まず「白サビ取り」を施し、5時間から8時間かけて白サビを完全に除去した上で、「アルカリブロックキーパー」を使えば、美しい輝きを取り戻すことができる。
せっかくなので、わが愛車のCクラスにも施工してもらうことにした。屋根のあるところで保管してきたおかげで、8年経過している割には白サビの発生はきわめて少なく、「白サビ取り」はほとんどなしで「アルカリブロックキーパー」を施工してもらうことができた。そして、これまたせっかくの機会なので、ボディの方にも”過剰なまでの美しさ”を取り戻すべく、EXキーパーを施工してもらうことにした。ちょうど昨年末の車検の時に細かいボディの傷をすべて修理したところなので絶好のガラスコーティングどきである。
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4. そしてお次は、2種類のヤスリを使って、丁寧に白サビ取りを施すところからスタート。
5. 下の青とピンクの四角い布状のものが、2種類のヤスリ。2つのビンがガラスコーティングの溶剤で、これを注射器を使って混ぜ合わせた後、ハケで丁寧にコーティングしていく。
6. 美しく甦った「アルカリブロックキーパー」施工後の金属モール。これでアルカリ雨も大丈夫!
というわけで、ボディもモールも美しく甦って、思わずニッコリ。なんだかベンツの顔もちょっと誇らしげに見えるのは、気のせいだろうか。
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「EXキーパー」プラス「アルカリブロックキーパー」で、ヨーロッパ車は完璧な美肌に!
「アルカリブロックキーパー」は、カー・コーティングや洗車事業、洗車用ケミカル材の開発などで知られるKeePer技研が、ベンツ、BMW、アウディ、VWなどヨーロッパ車のオーナーのために開発した画期的なアルミ合金製金属モールの白サビ防止コーティングだ。施工費用は3万3600円(税込み、以下同)で、ルーフレールも同時施工の場合は4万7300円となる。「白サビ取り」の施工費は3万9600円、ルーフレール同時施工は5万8300円。「EXキーパー」の施工費はクルマのサイズにより11万3500円から17万4600円。
問い合わせ/KeePer LABO撮影協力=KeePer LABO 杉並店
住所:東京都杉並区松庵2-15-1TEL:03-5941-3720文=村上 政(本誌) 写真=柏田芳敬