2022.09.04

CARS

遠出も得意な都会派のプレミアム・コンパクトカー DS3クロスバックにディーゼルがラインナップされた!

ディーゼルエンジンを搭載したDS3クロスバックが登場。

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DSのコンパクトSUVにトルキーで力強い走りのディーゼルが加わった。アバンギャルドで都会派のフレンチ・プレミアムとの相性はいかに。フランス車通のモータージャーナリスト、森口将之がリポートする。

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もっともトルキーなDS3

ステランティスのフレンチ・ブランド、つまり少し前までのPSAグループは日本で今年に入ってBセグメント・モデルに相次いでディーゼルを追加している。DSオートモビルのDS3クロスバックも例外ではない。



搭載されるのはDS4にも積まれる1.5リッター4気筒ターボで、8段ATを組み合わせるところも共通。エクステリアはガソリン車と同じで、インテリアもタコメーターの目盛りぐらいしか違いは確認できない。

1.2リッター3気筒ターボのガソリンと比べると、1330kgの車両重量は50kg増しで、最高出力は130psと同一だ。しかし、最大トルクは230Nmから300Nmへとかなり力強くなった。電気自動車のE-TENSEも260Nmなので、もっともトルキーなDS3クロスバックになる。

走りはじめるとたしかに、力の余裕を実感する。特にありがたいのは、街中などでちょっと加速したいとき。ギアを落とさずに速度を上げていけるので、静かかつ滑らかだ。E-TENSEもシームレスだけれど、ディーゼルはより生き物的な押し出し感を伝えてくるのが心地よい。

DSのアイコンである菱形が随所に配された特徴のある室内。

乗り心地はかなりソフトに思えた上陸直後のガソリン車と比べるとやや硬くなった。辛いというほどではなく、節度を身につけたという言い方もできる。ハンドリングは鼻先が重くなったためにノーズの動きがおっとりになったけれど、モダンなフレンチモードで彩られたDS3にはこのレベルの身のこなしのほうが合っている。

ひとクラス上のプラットフォームを使うDS4に比べると、エンジンの鼓動は伝わりがちであることに気づくものの、不快に思えるほどではなく、ドライブしているというライブ感をもたらしてくれる。

シートの背もたれは腕時計のブレスレットを模してデザインされている。

ふと、しばらく訪れていないパリを思い出した。いまやフランスもディーゼル比率はガソリンを大きく下回っているようだが、ディーゼルのDS3クロスバックで街を流していると、パリの企業に通勤しているような気分になる。ひとクラス上のDS4が郊外での暮らしを連想させるのに対して、ボディが短くて目線が高いこちらは俄然、都市の風景が似合う。

ドライブ・モードには「スポーツ」「ノーマル」「エコ」のほかに「サンド」や「マッドスノー」もある。都市部では使うシーンはなさそうだけれど、冒険心を掻き立てるという点では意味がある。

たまに遠くに足を延ばし、アクティビティを楽しむといったシチュエーションでは、ディーゼルの粘り強いトルクと高速燃費の良さもプラスになるだろう。

文=森口将之 写真=望月浩彦



(ENGINE2022年9・10月号)

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