1998年の初代発売以来、今年4月末までに世界で累計350万台を販売したというレクサスのコアモデル、RX。その5代目が発表されたのは今年6月のこと。8月末には、秋の日本発売を前に、米サンタバーバラで国際試乗会が開かれた。現地試乗会に参加したモータージャーナリストの島下泰久がリポートする。最大の見どころはプロポーション!通算5代目となる新型レクサスRXの全長は4890mmで、実は先代とまったく変わっていない。しかしながら改めて対面して感じたのは、エクステリアから受ける印象はずいぶん違ったものだということだった。
ボディとシームレスに続く造形とされたグリルが、まずは強い印象をもたらすが、見どころはそのプロポーションである。ホイールベースが60mm伸ばされる一方、リア・オーバーハングが短縮されたサイドビューは、俄然躍動的な印象となった。しかも全幅の25mm増に対してリアのトレッドは45mm拡げられていて、豊かに張り出したフェンダーによって踏ん張り感が大いに増している。一方で角度の寝かされたリア・ウインドウや、フローティング・タイプのCピラーといったアイデンティティが継承されていて、RXらしさは失っていない。継承と変化がうまく融合した姿は広く受け入れられそうだ。
ステアリング・スイッチと大型ヘッドアップ・ディスプレイとの組み合わせで運転に集中しやすい環境を作る“TAZUNAコンセプト”を採用したインテリアは、従来のアナログ時計を備えたラグジュアリーな世界から一気に先進的な雰囲気になった。先にデビューしたNXに続いて、14インチの大画面タッチ・ディスプレイ、ノブを引くのではなくスイッチに触れるだけでドアのアンラッチが可能なe -ラッチも採用されている。居住性も改善された。特に後席はホイールベース延長、そして前席バックレストの薄肉化によって、足元の余裕が増している。ラゲッジスペースもバックドア・トリムの薄肉化などにより、荷室長を50mm拡大した。全長は長くなっていないが、室内は広くなっている。パッケージングはしっかり煮詰められたようだ。
これまでになく肉食系のプロポーションは伊達ではなく、実際に新しいRXは、走りに大いに磨きをかけている。プラットフォームはNXなどにも使われているGA -Kの進化版で、新たに採用されたリア・マルチリンク・サスペンションに合わせて、特にボディ後半部の剛性が高められた。これまで角度のついていたダンパーを可能な限り立てて配置してスムーズに動かし、その入力を堅牢なボディでしっかりと受け止めようというわけである。
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