2022.10.26

CARS

レクサス世界販売の主力の中の主力、RXがフルモデルチェンジ! プロトタイプにひと足早くアメリカで試乗!

レクサスRX500h(北米仕様プロトタイプ)

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内燃機関1 、ハイブリッド3

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パワートレインは全部で4種類。すべてRXには新採用のもので、2.4リッターターボ・エンジンを積むRX350以外の3つはハイブリッドとなる。

直列4気筒2.5リッターエンジンに電気モーターを組み合わせるのがRX350hで、そのPHEV版がRX450h+。そして目玉となるのが、前輪を直列4気筒2.4リッターターボ・エンジン+6速AT+1モーターで、リアを高出力電気モーターを使ったeアクスルで駆動するRX500h・Fスポーツ・パフォーマンスである。

特に印象的だったのが3つに分かれたハイブリッド車だ。まず乗り込んだRX450h+で走り出し、程なくして小さなギャップを乗り越えると、サスペンションが柔らかく動いてショックをいなす様に、早速いい予感を抱いた。フリーウェイに入っても好印象は変わらず。舗装の荒れたところ、アメリカ特有の鋭角な路面の継ぎ目を通過しても、入力は角がうまく丸められて、ガツンと突き上げてきたりはしない。

RX450h+

歴代RXの美点だった乗り心地の良さは今回もしっかり継承されていたわけだが、新型RXの走りはその上で姿勢が常にフラットに保たれ、直進性も上々。ステアリングに軽く手を添えておくだけで、リラックスしたまま高速巡航できるものに進化していたのだ。

しかも静粛性がこれまた目を瞠るほどに高い。静かというだけでなく路面が変わっても風が強くなっても音質や音量の変化が小さく、要するに耳障りではないのである。

特にこのRX450h+は、大容量バッテリーの搭載で約80kmのEV航続距離を持つだけでなく、通常走行時にも通常のハイブリッド・モデルよりも積極的にモーターアシストを行ない、エンジンの動作頻度を減らしている。こうして燃費を稼ぐだけでなく静粛性やドライバビリティも高めているのが効いているようだ。

RX450h+

続いて乗り換えたハイブリッドのRX350hも、大きな電力を素早く出し入れできるバイポーラ型ニッケル水素電池の採用も効いているのか、期待以上に快活に走ってくれた。RX450h+もそうだが、今回ハイブリッド車のエンジンは従来のV型6気筒から直列4気筒に変更されている。事前には物足りないかもしれないとも危惧したのだが、杞憂だったと言って良さそうだ。

操る歓びを感じさせてくれる

新型RXの目玉と言っていいRX500h・Fスポーツ・パフォーマンスは、実用域では電気モーターが過給ラグを打ち消して小気味良いレスポンスを実現し、高速域ではターボ・エンジンのパワフルさと伸びの良さに高出力モーターを使ったeアクスルが加勢するかたちで、なるほどよく走る。動力性能それ自体もそうだが、電気モーターの旨味を活かした打てば響くレスポンスが、クルマとの心地よい一体感に繋がっている。アクティブ・サウンドコントロールによる快音の演出も不自然さは無く、気分を高める。

RX500h F sport

リアのeアクスルを活用して前後駆動力配分を自在に制御するDIRECT4は効果が目に見えて分かるものではないが、コーナリングは軽快だし、立ち上がり加速での高出力リアモーターによって押し出すようなトラクションも気持ちいい。後輪操舵機構のDRS、前後制動力を可変させて姿勢制御に活用する電動ブレーキシステムの恩恵もあり、高い安定性の下、意図したラインを忠実にトレースしていくフットワークは、これまでのRXでは味わえなかった操る歓びを感じさせてくれた。

引っかかるのは開発目標値14.4km/リッターというさほど芳しくはない燃費だが、ここで思ったのはハイブリッドを効率性だけでなく、新しい次元のドライビング・ファンに活用する方向性だってあっていいということである。何しろラインナップには、それぞれ異なるアプローチでハイブリッドの旨味を抽出したRX450h+もRX350hもあるのだから。

新型レクサスRXは、長年かけて培ってきた穏やかで快適な走りの味を継承、進化させながら、これまでに無いほどの操る歓びを備えたクルマに仕上がっていた。レクサスの世界販売の主力の中の主力でありながら、守るべきは守りつつも果敢に攻めに転じた、まさしく大胆不敵な1台だと言って良さそうである。

文=島下泰久 写真=レクサス・インターナショナル

RX500h F sport

■レクサスRX500h(北米仕様プロトタイプ)
駆動方式 エンジン・フロント縦置き+電気モーター4WD
全長×全幅×全高 4890×1920×1710mm
車両重量 2750kg
エンジン形式 直列4気筒DOHCターボ
排気量 2393cc
ボア×ストローク 87.5×99.5mm
最高出力 274ps/6000rpm
最大トルク 460Nm/2000-3000rpm
システム最大出力 370ps/6000rpm
トランスミッション 6段AT
サスペンション(前) マクファーソン式ストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
日本仕様発売時期 2022年秋

(ENGINE2022年11月号)

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