2023.04.28

CARS

「決してでしゃばるタイプじゃないのに、結局目立ってしまうスマートさがすごい!」 これが「アウディQ4 eトロン」に試乗したジャーナリストの生の声だ!

アウディQ4 eトロン

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2023年の注目の輸入車38台を一同に集めたエンジン大試乗会に参加したモータージャーナリスト40人が注目するクルマ! アウトウニオンのグランプリ・マシン以来のFR! アウディQ4 eトロンに乗った岡崎五朗さん、森口将之さん、清水草一さんの3人は、思わず叫んだ!

徹底的にアウディらしさを追求


EVはターンパイクなしですよ、という制限付きの試乗はちょっぴり残念だったけれど、Q4 e-tronはなかなか魅力的なEVだ。メカニズム的にはID.4と共通点が多いが、内外装のデザインは完全に別モノで、徹底的にアウディらしさを追求している。とくにスポーツバックのデザインはキレッキレ。エンジンを搭載したアウディにはなかった極端に短いフロント・オーバーハングがスポーツバックならではの躍動感を見事に引き立てている。インテリアにしても、使っている素材のグレードがID.4より明らかに上というわけではないが、ファミリー・イメージの強いID.4に対しこいつはあくまでクールで都会的な世界観を狙っている。動力性能にサプライズはないが、硬質感のなかにしなやかさを感じる乗り味はアウディ的。30km /h以下では車内にも大きく届く歩行者用車両接近警報音が邪魔をするものの、ロードノイズを含めた静粛性、そして乗り心地はID.4をわずかにリードする。このあたりはプレミアム・ブランドとしての意地か。それでいて688万円〜に抑えた価格にはかなりのインパクトがある。(岡崎五朗)

アウディらしいシンプルかつ洗練されたデザインでまとめられたコクピット。センターコンソールは思い切り運転席側に傾き、ドライバー・オリエンテッドなテイストだ。

ブランドに何が必要か熟知している

後2輪駆動のアウディは、アウトウニオンのグランプリ・マシン以来だろうか。その場でクルッと回るような身のこなしは、これまでのアウディになかった。その一方でドライな乗り心地はアウディそのもの。パワーユニットのしつけも電動車らしさは控えめだ。つまりQ4 e-tronは可能な限り、エンジンを積むアウディと同じ世界観を提供しようとしている。デザインもそうだ。ノーズが短くキャビンが長い電気自動車独特のパッケージングに、今のアウディのディテールを、巧妙に溶け込ませている。それだけブランド・デザインが大切だということなのだろう。エッジの効いたインテリアもアウディそのもの。しかもプラットフォームを共有するフォルクスワーゲンと比べると、タッチ・スイッチに頼りすぎず、ドライブ・セレクターはセンターに位置するなど、自動車らしさを残そうとしていることが伝わってくる。 自分たちのブランドに何が求められているかを熟知している。アウディの電気自動車が欲しい人、安心して行ってください。(森口将之)

電動車専用プラットフォームゆえ、オーバーハングが短く室内は広々。

走りはあくまで知的!

スマートにカッコイイクルマが欲しい。そういう欲望は誰にでもある。スマートにというのはつまり、あまり構えず適度に控え目で、だからこそ知的に見えるということだ。このクルマはまさにスマート。加えて適度にスポーティでもある。なにしろアウディのスポーツバックだけに。それでいて顔の印象はかなり強烈な個性派というのだから強い。一度見たら忘れない、クセになるような癖があるデザインがイイ。Q4 e-tronスポーツバックは、乗ってもかなりスマートだ。まず、EVの割に加速が落ち着いている。どれだけアクセルを踏み込んでも、ムチ打ち寸前のバカ加速はしない。スマートなQ4 e-tronは、あくまで知的なのである。加速だけではない。走りはすべての面においてスマートだ。乗り心地もハンドリングも、ついでにアウディ唯一の後輪駆動もどこかスマート。さらに言うと後席の広さがスマートすぎる。決してでしゃばるタイプじゃないのに、結局目立ってしまうこのスマートさ。さすがはアウディが送り出すスタンダードEVだ。(清水草一)

後軸上に最高出力150kW、最大トルク310Nmの電気モーターを搭載し、後輪を駆動する。バッテリー容量は82kWhで、一充電走行可能距離は520km。

写真=茂呂幸正/郡大二郎/小林俊樹/神村聖

(ENGINE2023年4月号)

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