2023.04.08

CARS

Cクラスに代わってメルセデス・ベンツの大黒柱になったGLCが、7年ぶりにフルモデルチェンジ! これはもう、立派なフラッグシップだ!!

メルセデスGLC220d 4マチック

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2020年と2021年(2022年は未発表)の2年に亘り、これまでの大黒柱だったCクラスを押しのけ、メルセデス・ベンツの最量販モデルとなったGLC。全面刷新で生まれ変わった新型はその座を守ることができるだろうか。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

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すべてを備える

定期的なアップデートによってブランドのイメージ・コントロールが行き届いているメルセデスだけに、興味がない人には見分けがつかないかもしれないが、これは7年ぶりにフルモデルチェンジした新型GLCである。GLCはGLKのあとを受けて2015年にデビューしたCクラス相当のSUV、つまりこの新型が2代目ということになる。注目は新型C クラス同様、すべてISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)付きの電動化パワーユニットに統一されたことだ。220dに搭載されるOM654M型新型ディーゼル・ターボも同様で、ディーゼル+ISGはメルセデスとしても初のユニットだという。



試乗した時点では正式発表前だったので日本仕様の詳細なスペックは未発表だが、Cクラスと同じ「MRAII」と呼ばれる後輪駆動アーキテクチャーをベースとしたGLCのディメンション(欧州仕様)は、先代に比べると全長が60mm、ホイールベースは15mm長くなっている。

ISGが加わって型式名に「M」が付いたディーゼル・ターボ(クランクシャフトが変更されて排気量も1950→1993ccに若干拡大)は従来型と比べてわずかにパワーアップ(+2 ps /+40Nm)された。それに加えて瞬間的とはいえモーターによる23psと200 Nm をいわゆるEQブーストとして得られるうえに、電子制御の9段ATを搭載しているおかげで、車重約2tの4WD車にもかかわらず、実用域でのピックアップは文句なしに逞しい。

ほかの最新メルセデス同様、縦長のタッチ・スクリーンが中央に据えられたインストルメントパネル。


実用域での力強さに加えて、新型の大きな特長は始動時の振動がほとんど感じられないことだ。アイドリングストップが嫌いだという人は少なくないようだが、それはおそらく停止する瞬間のギクシャク感と、再始動の際のブルルンという身震いと音が気になるからだろう。街中のストップ&ゴーでは頻繁にオンオフを繰り返すが、新しくISG付きとなったこのディーゼル・ユニットではまったく気にならないと言っていい。普通のエンジンでは始動の際に一旦回転が上がってから700rpmほどに下がって落ち着くが、ISG付きのGLCでは、デジタル回転計の針が静かにそろりと持ち上がってそのまま安定する。緻密なモーター制御の効果である。ディーゼルの場合、ターボ・プレッシャーが十分ではない低回転域のピックアップを苦手とするのだが(もちろんタービンは可変ジオメトリー・タービンを採用)、そこを補うのが低回転で大トルクを発生するモーターである。軽く踏んだだけでスイッと身軽に動き出す反応の鋭さにディーゼル・ターボとの相性の良さを実感できる。

内装はオプションのAMGレザー・エクスクルーシブ・パッケージを装着。

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