2023.05.16

CARS

【海外試乗速報!】これが最良にして最後の内燃機関カイエン! フェイスリフトした新型ポルシェ・カイエンにオーストリア・ザルツブルグで試乗!

フェイスリフトした新型ポルシェ・カイエン。写真はカイエンS。

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すでに次期型は電気自動車になることが発表されており、これが内燃機関搭載モデルとしては最後になるであろう新型カイエンの国際試乗会が開かれた。エンジン編集長のムラカミが報告する。

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ポルシェの大黒柱

2022年のポルシェの全世界での販売台数は30万9884台。そのうちカイエンは9万5604台で、マカンの8万6724台を上回り、販売トップの座に輝いたという。

ちなみに、2002年に初代がデビューして以来のカイエンの総販売台数はなんと125万台。1990年代初めには倒産危機まで囁かれ、2000年代に入ってからも年間5万5000台程度を販売する小さな専業スポーツカー・メーカーに過ぎなかったポルシェのもっかの隆盛ぶりがあるのは、間違いなくカイエンのおかげと言っていいだろう。

ポルシェ・カイエンS

そのポルシェの救世主であり大黒柱でもあるカイエンの新型が発表されたのは今年4月18日、上海モーターショーでのことだった。むろん、中国がカイエンの一番大きな市場であることを反映したものであるのは明らかだが、続く2位は米国。そして、その両国で一番売れているのは実はV6ガソリン・モデルなのだという。逆にハイブリッド比率が一番高いのはヨーロッパで、補助金の関係もあり、とりわけオーストリアやフランス、ノルウェーで販売されるカイエンの90%がハイブリッドになっているというのは意外だった。

ポルシェ・カイエンS

そうした世界の販売状況を踏まえてか、今回、オーストリアのザルツブルグで開かれた国際試乗会に用意された新型カイエンのパワートレインは3種類。まずは3リッターV6ターボを搭載する素のカイエン、次に同じ3リッターV6ターボに電気モーターを組み合わせたカイエンEハイブリッド、そして従来の2.9リッターV6から4リッターV8のツインターボに載せ換えられたカイエンS。それぞれにノーマル・ボディとクーペがあった。

ほかにも、すでにハイパフォーマンス・モデルのカイエン・ターボGTが発表されているが、今回は用意されていなかったし、日本導入の予定もないという。その理由は排ガス規制に合わないためで、日本のみならず、ヨーロッパでもダメというから、試乗会にもなくて当然である。さらに香港やインド、台湾、シンガポールなどでもダメなのだそうだ。

ポルシェ・カイエンターボGT

そこで今後のモデル追加の予定を尋ねたところ、年内にV6とV8のハイパフォーマンスなハイブリッド・モデルが2台出るそうで、どうやらそのV8版がターボGTの代わりになるということらしい。しかし、カイエン・ターボの話は出なかった。世界の販売や規制の状況を鑑みた結果、ターボはなくなるのだろうか。

いずれにせよ、今回のフェイスリフト版カイエンが、目まぐるしく変化する世界の自動車をめぐる動きに対応した、いわば過渡期のものなのは間違いない。ポルシェはすでに次期カイエンが電動化モデルになることを発表しているが、その一方で、今後さらに小さな改変を重ねる可能性も否定してはおらず、そのあたりは世界の状況を見ながら臨機応変に対応していくのだろう。

しかしハッキリしているのは、どう転んでも、この後期型になった3代目カイエンが内燃機関を搭載する最後のモデルになることだ。125万台を販売してきた超ベストセラー・モデルがいま、これまで築いてきた山脈の頂点にいる。そう思うと早く乗りたくてたまらなくなった。

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