2024.08.28

CARS

ニュル、7分14秒の衝撃! ポルシェ918スパイダーは、どんなスポーツカーだったのか? ニュルブルクリンクのタイムアタックを目撃したジャーナリストの証言リポート

ポルシェ918スパイダー・プロトタイプのニュルアタックを目撃!

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ご存じ中古車バイヤーズ・ガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の過去の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2012年の12月号に掲載されたポルシェ918スパイダーの貴重なリポートを取り上げる。2013年に市販を予定していたポルシェのハイブリッド・スポーツ、918スパイダーのプロトタイプがニュルブルクリンクを走ることになり、当時その開発過程を見守り続けていたモータージャーナリストの木村好宏氏が現場に駆けつけて同乗試乗が実現した。

リッター33km!

ポルシェ918スパイダーは最高速度320km/h、0-100km/hは3.2秒以下というスーパー・スポーツカーでありながら、100km走行あたり3リッター(リッターおよそ33km)という燃費を持って2011年のジュネーブ・モーターショーで衝撃的なデビューを果たした。しかも当時の社長ミヒャエル・マハトは「918は単なるスタディ・モデルではなく2013年秋までに市販する」と公言したのだ。

その後、ポルシェは開発の節目ごとに数名のジャーナリストを招待し、応用される新技術の紹介をしながら進展の様子を伝えている。

今回のニュルブルクリンクにおけるワークショップは、2月のナルドのイベントに次いで2度目である。




さて、918スパイダーであるが2011年の初公開以来、基本的な部分は変わらないが、その性能は進化し続けている。4593ccのV8は最高出力580ps、電気モーターは180kW(245ps)となっている。システム出力は795ps、最大トルクは780Nmまで上昇しているのだ。これに伴ってダイナミック性能も向上、0-100km/hは3.0秒とそう変わらないが0-200km/hは8.9秒、そして300km/hに達するまで、27秒を切る直前まできている。また、注目される最高速度だが数字は325km/hと発表当時と変わらないものの、担当エンジニアとの話では350km/hのラインには余裕で到達する印象を持った。

E、H、S、Rと赤ボタン

さらにテクニカル・ワークショップでは、918に5つのドライブ・ロジックを装備することも公表された。それはステアリング・ホイールのセンター・パッドの右下にある小さなダイアルでE、H、SそしてRと表示され、中央に赤いボタンがレイアウトされている。EはEVドライブで、前後の電気モーターによって駆動される。EVの4WDでも最高速度150km/h、航続距離は25kmだというから驚きだ。



Hはハイブリッド・モード。2基の電気モーターとV8エンジンが組み合わされ、100kmあたり3リッターを達成する。Sはスポーツ・ハイブリッド・モードでV8は常に介入しており、電気モーターによるエレクトリック・ブーストが最大で30秒持続する。さらにRはレース・ハイブリッドとなり、エレクトリック・ブーストは30秒持続し、電池充電量(SOC)は20%から90%の幅で変化する。最後のホット・ラップは中央のボタンで切り替わるが、このモードではSOCのミニマムまでエレクトリック・ブーストが掛かり続ける。ちなみに、ニュルブルクリンク7分14秒のベスト・ラップはこのモードで打ち出した。

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