2023年3月にモロッコ・マラケシュで披露された「フェラーリ・ローマ・スパイダー」が日本初公開された。フロントにV8エンジンを搭載する2+2クーペの「ローマ」をベースにしたオープン・モデルだ。
54年ぶりのソフトトップ
フロント・エンジンのフェラーリとしては54年ぶりにソフトトップを備えるローマ・スパイダー。フェラーリにはすでに同じV8のフロント・エンジン・リア駆動(FR)のオープン・モデルである「ポルトフィーノM」がラインナップしている。両者の大きな違いは屋根で、ポルトフィーノMが開閉式ハードトップを採用しているのに対し、ローマ・スパイダーはソフトトップになる。また、ポルトフィーノMはフェラーリらしいスポーティな仕立てを持つが、ローマはエレガントさを前面に押し出している。

5層構造でクーペと同じ快適性を実現
ソフトトップは60km/hまでなら走行中でも操作が可能で、開閉はどちらも13.5秒で完了する。電動開閉式ハードトップと同等の快適性を実現するという5層構造。ファブリックにはエレガントさとスポーティさを両立する織り方を用いた新素材を開発し、採用している。さらに、オプションで虹色の光沢を放つ赤い専用開発ファブリックも用意される。
空力デバイスはオープン専用設計。特許を取得した新形状のウインド・ディフレクターは後席バックレストと一体化され、走行中でも展開可能だ。フロント・ウインドウのヘッダーレールには整流板が組み込まれ、風の巻き込みや風切り音を抑えた。また、フロントのボルテックス・ジェネレーターやリアのアクティブ・スポイラーを専用設計とし、空気抵抗を抑制しつつ、クーペ並みのダウンフォースも確保した。
ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4656×1974×1306mmで、ホイールベースは2670mm。クーペモデル比では全高が5mm高い。乾燥重量は軽量オプションを装着した仕様でクーペ比84kg増の1556kgだ。重量配分は48:52と、前後等分だったクーペよりわずかにリア寄りになった。

620psの3.9リッターV8ターボ
エンジンはクーペ同様、3855ccV8ツインターボで、最高出力620ps/最大トルク760Nmを発生。オイルポンプの改良によりコールド・スタート時の油圧上昇時間を70%短縮した。トランスミッションはSF90ストラダーレ用のデュアルクラッチ式8段自動MT(DCT)をベースに、後退ギア追加やギア比引き上げなどの改修が図られた。0-100km/h加速は3.4秒、最高速度320km/h。どちらもクーペ同値となっている。
純正メンテナンス・プログラムは最初の車両登録から7年間、2万kmもしくは1年ごとに走行距離制限なしの定期メンテナンスが受けられる。このプログラムは、認定中古車にも適用される。
価格は3280万円となっている。

文=関 耕一郎
(ENGINE WEBオリジナル)
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