2022.04.17

CARS

実用的で快適だけど紛れもなくフェラーリ! ポルトフィーノMに5人のモータージャーナリストが試乗【2022年エンジン輸入車大試乗会】 

フェラーリ・ポルトフィーノM

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。昨今では珍しくなってきたリトラクタブル・ハードトップを持ち、ラインナップの中ではエレガントなイメージのフェラーリ・ポルトフィーノMには、森口将之、小川フミオ、山崎元裕、藤島知子、金子浩久の5人のジャーナリストが試乗した。

2+2のFRオープン・フェラーリ

「ポルトフィーノ」を大幅にモディファイして2020年9月にデビューした「ポルトフィーノM」。リトラクタブル・ハードトップを採用する2+2シーターだ。フロント・ミドシップに搭載される3.9リッター V8ツインターボは、FRクーペのローマにも搭載されたF154BH型。フェラーリのオープン・モデルでは初採用となる新しい8段のデュアルクラッチ式自動マニュアル・トランスミッションを介して後輪を駆動する。最高出力620ps/5750~7500rpm、最大トルク760Nm/3000~5750rpmを発生する。0~100km /h加速は3.45秒、0~200km /h加速は9.8秒、最高速度320km /h。全長×全幅×全高=4594×1938×1318mm。ホイールベース=2670mm。車両重量=1630kg。車両本体価格2676万円。



適当に操ることは許さない。強烈なメッセージに酔う/森口将之


2年前にこの試乗会でドライブしたMのつかないポルトフィーノとの違いは、フロント・マスクの造形、エンジンのパワーアップ、7段から8段になったDCTなど。よって冷静に今のフェラーリと対峙できた。するといろいろなことが分かってきた。たとえばコクピットはデジタル・パネルを取り入れつつ、タコメーターはアナログで、マネッティーノなどのスイッチもタッチ式ではない。エアコンのルーバーもそうだが、リアルをリアルとして残す見識に共感した。箱根までの往路はオープンエアを堪能し、山の中腹で屋根を閉める。流麗なファストバックが姿を現す。今や少数派になったリトラクタブル・ハードトップを使い続ける理由が理解できたが、走りはじめたらフェラーリの本性に圧倒された。ボディがソリッドになったおかげで、ステアリング・レスポンスが鋭くなる。恐れる人もいそうなほどクイック。でも丁寧に操舵を入れれば綺麗に曲がれる。優雅な姿形をしていてもこれはフェラーリ、適当に操ることは許さない。こんな時代だからこそ強烈なメッセージが心地よかった。

ステアリング・ホイール上に装備されるマネッティーノのダイヤルにはレース・モードを追加。インテリアは運転席と助手席の周囲がそれぞれ独立した繭のような形状を持つ。フロント・ミドシップに3.9リッター V8ツインターボを搭載。


スリリングかつ快適。スポーツカーづくりの思想を感じる/小川フミオ

フェラーリの入門篇などと言われるポルトフィーノ。ところが、どっこい、なのだ。入門などという言葉はまったく似合わない。全長4594mmのボディに、456kWの3.9リッターV8をミドシップしたこのオープン2シーターは、頭がクラクラするぐらいのドライブ体験を味わわせてくれる。そりゃ、530kWのパワーを、設計年次の新しいシャシーに載せたF8トリブートとか、736kWのスーパーパワフルなプラグイン・ハイブリッドのSF90ストラダーレはすばらしい。でも、ポルトフィーノだって十分じゃないかと思う。ハンドリングは、気持ちよくて、心がワクワクするという意味のスリリングという言葉が似合う。同時に、快適志向の乗り心地。電動で開閉するハードトップをそなえ、エレガンスも性能とともに重んじるフェラーリのプロダクトとして納得できる。高速でもワインディングロードでも海岸線でも、どこでも気持ちが晴れやかになる。オープンにすれば、官能的な内装を見せびらかすことも可能。すべてはフェラーリのスポーツカーづくりの思想だ。思想があるから、魅力がある。



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