2023.07.02

CARS

数字で深掘りする新型アルファードとヴェルファイア 全長で増えた45mmはどこに使った?

8年ぶりに4代目へと進化を遂げたトヨタの最高級ミニバン、新型アルファードとヴェルファイア。今回発表された資料の数値を基に、いろいろと深掘りしてみた。

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機械式駐車場にも配慮

まずはエクステリア。全長×全幅=4995×1850mm。トヨタ・ブランドとして使い勝手を考えると全長5m、全幅1850mmに収めることは必須だったという。また、ハイルーフ対応型に限られるものの、このサイズであれば一般的な機械式駐車場に入庫可能で、もちろんそれを考慮しているという。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

45mmはすべてフロント・オーバーハング

また、全幅は先代と同値だが、全長は45~60mm長くなっている。この延長分はすべてフロント・オーバーハングで、逆スラントを採り入れたデザインのために使われているそうだ。

逆スラントになったノーズの先端にはこれまでの車種別エンブレムではなく、トヨタのマークが設置された。一方で、各車のエンブレムはBピラーにある逆巻く波頭のように突き出したデザインを持つメッキモールの前に取り付けられている。



全高の違いはタイヤ

全高はアルファードの1935mmに対してヴェルファイアは10mm高い1945mmになる。ただし、これは装着タイヤによるもの。したがって、アルファードもオプションの19インチ・タイヤを装着すると1945mmになり、逆にヴェルファイアも17もしくは18インチを選べば1935mmになる。

トヨタによれば、ボディ・サイドは先代の倍近い量の抑揚を持たせたとのこと。興味深いのはその数値が示されていることで、サイド・パネル面における凸凹の最大値は従来比で+20mmとなる44mm。これだけ印象が違ってもその差はほんの2cmでしかないことも発見だし、先代と同じ全幅ながら左右で40mmを稼ぎ出したデザイナーの努力にも感心する。また、自動車メーカーの報道資料に20年以上目を通してきたが、この手の数字を見るのは初めて。そのことにも軽い驚きを覚えた。



シート・スライド速度まで

そのほかにも、ステアリング・ホイールの角度は従来の30.4度から25.9度へと寝かすことでより乗用車らしい運転姿勢を実現。。また、スライド・ドアの開口幅を40mm増やして820mmに拡大。スライド・ドアの開口部に設置されたアシスト・グリップは+135mmの620mmになったというように、細部に至るまでその違いが数値で示されている。可動機構が変更された2列目シートの電動スライド機能の作動速度は着座時が40mm/s、空席時が100mm/sというが、このような数値データもこれまで目にした記憶がない。

これらの数値の違いが実車に明確に表れているのか。比較試乗の機会があればぜひとも試してみてください。

アルファード・エグゼクティブ・ラウンジ

文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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