2023.07.16

CARS

仮想敵はアルピーヌA110か!? ケータハムが2025年発売を目指すEVスポーツを発表

「スーパー7(セブン)」でお馴染みのイギリスの少量生産スポーツカー・メーカー、「ケータハム」が市販予定の電気自動車=バッテリーEV(BEV)のスポーツ・モデルを示唆するコンセプト・カー、「プロジェクトV」を発表した。

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アルピーヌA110サイズ

チーフ・デザイナーのアンソニー・ジャナレリが手掛けたエクステリアは、伝統的なブリティッシュスポーツを思わせるフォルムに現代的な空力設計やディテールを融合させたもの。ボディ・サイズは全長×全幅×全高=4255×1893×1226mmで、ホイールベースは2581mm。パワートレインは異なるが、全長はアルピーヌA110とほぼ同サイズで、ロータス・エミーラよりもひと回り小さい。



2+1の変則レイアウトを採用

インテリアは、シンプルなスポーツカーらしいデザインだが、スーパー7よりかなり現代的な仕立てを持つ。電動パワーステアリングやデジタルメーター、スマートフォンのミラーリングに対応するインフォテインメントシステムを備え、「ノーマル」「スポーツ」「スプリント」の走行モードをコクピットで選択できる機能も与えられた。キャビンは、前2席、後ろ1席の2+1を基本に2+2も選べるレイアウトを有する。

BEVでありながらケータハムらしく軽量に仕上げるため、シャシーはカーボンとアルミ素材を用いた複合構造で、ボディにはコンポジット材を使用している。車両重量は2+1仕様で1190kg未満を目標にしているという。サスペンションはジオメトリー調整式の前後ダブルウィッシュボーン式で、フロント235/35R19、リア285/30R20のミシュラン・パイロットスポーツ4Sを履く。



272psの後輪駆動

パワートレインは、最高出力272psの電気モーターをリアに積む後輪駆動。0-100km/h加速は4.5秒未満、最高速度は230km/hを謳う。駆動用バッテリーは55kWhのリチウムイオン式で、先進的な熱管理システムを採用することで150kW急速充電使用時には15分で20〜80%チャージを完了。WLTP値の航続距離は400kmに達する。

軽量・シンプルで機敏というDNAを継承しつつ、リア・シートの乗降性などといった、これまでのケータハムには無縁だった要素まで考慮したプロジェクトV。ケータハム・カーズのCEOで、新設された「ケータハムEvo」のCOOを兼務するボブ・レイシュリーは「セブンの代わりではなく、セブンを補完するもの」と形容し、「既存の顧客層にアピールし、同時に新しいファンをブランドに引きつけることができる」と自信を見せる。

今回のコンセプト・カーは、イタルデザインが製作を担当。開発段階から技術要素と製造の実現可能性を検討してきたというこのBEVクーペの発売予定時期は2025年後半〜26年前半とされ、価格は8万ポンド(約1450万円)を切ることを目指している。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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