2023.08.05

CARS

過剰な加速力は売りにしない! レクサスのEV、UX300eの改良モデルに試乗 贅沢な造りと上質さが自慢!!

レクサスUX300e

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昨年のガソリン&ハイブリッドに続き、PHEVがマイナーチェンジ。見た目はほぼ一緒だが、電池を一新するという大きな変貌を遂げていた。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

一充電走行距離は367kmから512kmへ


UXこそレクサス初の電気自動車であることをご存知だろうか。なのに、何だか影が薄いままだったのはやはり出足のつまずきが尾を引いたのかもしれない。



ご存知UXは2018年末に発売されたレクサスの末弟ともいえるコンパクトSUVである。小さいクラスが手薄だったレクサスにようやく待望のコンパクトでお洒落なSUVクーペが加わったとして鳴り物入りのデビューだった。

その後2020年末にレクサス初のピュアEVとして追加されたのがUX300eだが、バッテリー供給の問題などで当初は台数限定だったせいもありあまり注目を集めなかった。



今回の新型はそのマイナーチェンジ版、何と搭載される電池の容量は54.4kWhから72.8kWhへ一気に拡大、おかげでWLTCモードの一充電走行距離は367kmから512kmへおよそ40%も増大したという。これはもうまったく別物である。現在のような激変期にはままあることだから、理解できないことはないけれど、初期型を早く購入したユーザーにとってはモヤモヤが拭えないかもしれない。

300e以外のUXシリーズは既に昨年秋にマイナーチェンジを受け、“走りの進化” のための改良が施されている。すなわちドアやハッチゲート周辺部へのスポット溶接打点を20点追加してボディ剛性を向上させ、その上でパワーステアリングやダンパーの設定を見直している。とはいえそもそもUXは初めからドア開口部や前後サスペンション周辺にレーザー・スクリュー・ウェルディング(LSW)を採用、構造用接着剤も多用するなどコンパクトクラスでも贅沢な造りが自慢だった。当然これらは新しい300eにも反映されており、いかにも建付けがしっかりとしている上に洗練された仕上がりである。フロントに搭載されるモーターの出力は203ps/300Nmと従来通りだが、滑らかで扱いやすいだけでなく十分にパワフルでもある。過剰な加速力などを売りにするのではなく、適切でスムーズなパワー制御は、小型だが上質というUXの狙いに沿うものだろう。



欲をいえばもう少し落ち着きのあるフラットな乗り心地があれば言うことなし。それからインストゥルメントパネルにも、今一歩レクサスらしい先進性というかユニークさが欲しい。12.3インチの大型タッチスクリーンが装備されたことに伴い操作系も変更され、使いにくいタッチパッド式リモートタッチが廃されたのは歓迎できるが、こだわりのオーディオ・ダイヤルスイッチも姿を消してしまった。一方で未だ電池残量の%表示は備わらないのである。

文=高平高輝 写真=茂呂幸正

(ENGINE2023年9・10月号)

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