2023.08.04

CARS

総重量80kg超えのダッチオーブンをカングーに積んでみた! 秘密のダッチオーブン・ハウスで豚の巨大塊肉を焼く!

カングーの荷室にダッチオーブンのピラミッドを立てる!

全ての画像を見る
鉄鍋研究所

advertisement


菊池さんの別荘は、鬱蒼とした森のなかにある。ここはダッチオーブン仲間には別名「鉄鍋研究所」と呼ばれていて、アメリカのロッジ社のダッチオーブンが、もうとっくの昔に廃盤になってしまったものから最新のものまであらゆるサイズのものがゴロゴロとある。



なんでも使っていいぞというので、早速ダッチオーブン・ピラミッド積みに取りかかる。ガンガン積んでいくと9段重ねまでできたが、これだとあまりに高過ぎてカングーの荷室に入らない(笑)。仕方がないので7段まで減らして荷室に積み上げた。いちばん下は16インチで、てっぺんは5インチのベビー・ダッチだ。さらに、荷室にはまだまだ余裕がある(さすがカングー)ので、別荘にあったものでちょっと遊んでみた。テーマはフライフィシング(笑)。目指したのは荷室だけではなくて、ボンネットにもフライロッドをキャリーする本格仕様風だ。あれやこれや積み込んで楽しい荷室が見事に完成した。

カングーの荷室に積んだのは16インチから5インチまでの7個のダッチオーブン。

総重量が80kgを超える7段重ねのダッチオーブンのピラミッドをカングーの荷室で撮影した後は、調理に取りかかる。さすがダッチオーブン・ハウス(勝手にそう呼んでいる)だけあって、ダッチオーブンがとにかくたくさんある。選んだのは見たこともない大きなサイズのスキレットとピラミッドのいちばん下に使った16インチのキャンプ・ダッチオーブンだ。

7.9kgの重たい肉の塊は、スキレットで焼き目をつけるだけでも一苦労。肉汁を閉じ込めるべく油を回しがけすることなんと1時間以上。全体がいい色になったところで、ダッチオーブンに移したはいいが、なんと一番大きなサイズの16インチでも肉が大きすぎて蓋が閉まらない。まあ、焼いている間に肉が縮んで閉まるだろうと、上火の炭を置いて待つこと約3時間。その間、ジュジュッと油が弾ける音とともに、蓋の隙間から超絶に旨そうな焼けた豚肉の匂いが漂うものだからたまらない。もう我慢できませんというギリギリのタイミングで焼き加減最高の豚の巨大塊肉焼きが完成した。







蓋を開けた瞬間の感動たるや、生きてて良かったぁ、と思わず声が出たくらいである。肉屋の長門さんが、商売道具の見事な包丁で骨に沿って切り分ける。肉は厚みのある部分がロースで、残り半分の薄い方がバラ。つまり一切れでロースとバラの両方が楽しめる。ほかの料理はいっさいなし。塩胡椒もせず、ただハーブをどっさり入れて焼いただけの骨付き肉が、こんなに甘く、香ばしく、そして幸せな味がするとは思ってもいなかった。





そんな幸せを、暮れてゆく緑の森のなかのダッチオーブン・ハウスで愉しんだ。軽井沢の文化とも言えるオリジナルの姿を残す古い別荘ももう数えるほどしかない。カングーの荷室に積んだダッチオーブンのピラミッド。豚の巨大塊肉焼き。今日、最後の“映え”は、間違いなくこの別荘だな、と思った。

終わってみれば、こんなアイディアが浮かぶんだからやっぱりカングーは楽しいクルマだ。ダッチオーブンとの相性も抜群である。思うにカングーに乗っていてダッチオーブンを持っている人はけっこういると思う。ぜひ楽しい写真が撮れたらインスタに上げて盛り上がりましょう。

文=塩澤則浩(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦 取材協力=ジャパン・ダッチ・オーヴン・ソサエティ(JDOS)

(ENGINE2023年9・10月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement