2023.08.30

CARS

これぞロールス・ロイスの極み 4台しか製作されない特別なロードスター、「ドロップテイル」が登場

ロールス・ロイスはコーチビルド部門で4台のみを製作するスペシャル・モデル、「ドロップテイル」を発表。その最初の1台となる「ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイル」を披露した。

新旧を織り交ぜる

2017年の「スウェプトテイル」、2021年の「ボートテイル」に続く3番目の特別なロードスターとして製作されたドロップテイルは、全長5.3m、全幅2mの2シーターで脱着式のハードトップを備える。上端がキンクしたパンテオン・グリルや新解釈したエンブレムの「バッジ・オブ・オナー」などロールス・ロイス史上初の試みも盛り込まれている。

いっぽうでデザイナー陣は、1912年の「シルバーゴースト・スラッガード」、1925年の「シルバーゴースト・ピカデリー」、1930年の「ファントム・ブリュースター・ニューヨーク・ロードスター」など、往年の名車にも造形のヒントを求めた。



150回のテストを繰り返す

そして、最初に完成したラ・ローズ・ノワールは黒バラと呼ばれるブラックバカラ・ローズをモチーフにしている。影の部分は限りなく黒に近く、光を受けると艶のある赤に輝く塗装が施された。トゥルーラブ・レッドと銘打たれた赤い塗装はベースコートと極秘レシピのカラーに5層クリアコートが重ねられる。プロセスの完成までに150回もの念入りなテストが繰り返されたという。

パンテオン・グリルのベーンは裏側にトゥルーラブのアクセントが手塗りで加えられる。ロワー・グリルは軽量コンポジット材を3Dプリンターで成形したベースに、202ピースのステンレス製インゴットが取り付けられる。そのひとつひとつの研磨とトゥルーラブ塗装はすべて手作業で行われた。



特殊な電解物を用いたメッキ

クロームパーツはハイドロシェードと呼ばれるダークなフィニッシュを採用。メッキ工程に特殊な電解物を用い、高輝度に仕上げるべく手作業で精密なポリッシュを掛けている。22インチ・ホイールは黒く見えるが、光の加減でダークレッドが浮かび上がる。この塗装はミステリーと名付けられた。

ラ・ローズ・ノワールのハードトップは高さを抑えた専用設計。また、エレクトロクロミック・ガラスがはめ込まれ、瞬時に透明度を変化させることが可能だ。



寄木細工のウッドパネル

内装は外装以上に手が込んでいる。薔薇の花びらを散らしたようなウッドパネルは1603個もの三角形を組み合わせたフランス産ブラックシカモア材の寄木細工で、着色したのは赤いピースのみで、グレーの部分は木材そのものの色合いを活かしている。また、退色を防ぐためのラッカーは開発に1年を要した。この花びらのモチーフはリア・デッキのペイントにも続いている。

ダッシュボードに据え付けられた時計はなんとオーデマ・ピゲ製。自動巻きムーブメントのキャリバー4407を搭載した43mmロイヤルオークコンセプト・スプリットセコンド・クロノグラフGMTラージデイトで、チタンのステーで固定されているが、時計を取り外すとオーデマ・ピゲの職人がバラの模様を手彫りしたホワイトゴールドのコインが現れる。同じモチーフが刻まれたスピーカーのグリルも、スイスのアトリエで作られた。



シャンパン・チェストも付属

シートはトゥルーラブとミステリー、濃淡2色のレザーを使用。仕上げにかすかなカッパー光沢を差し、ブラックバカラ・ローズの風合いを再現した。さらに、この内外装に合わせた仕立てのシャンパン・チェストも付属。ボディ・カラーにマッチする特別なボトルのシャンパーニュ・ド・ロシーと、クリスタルの手吹きフルートグラスが収められている。

エンジンは6.6リッターツインターボV12で、最高出力はベース・ユニットに対して30psのアップが図られ、最大トルクは840Nmを発生する。エンジン・パワーの向上を図ったのはロールス・ロイスのコーチビルド・モデルとしては初めてだという。

1号車から尽くされた贅の極みに驚くばかりのコーチビルド・モデルであるドロップテイル。はたして、このあとに続く3台はどのような設えで目を楽しませてくれるのだろうか。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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