2023.07.10

CARS

ロールス・ロイス初のEV、スペクターはLEDを駆使したクルマとは思えぬ独創的な内装を持つ

ロールス・ロイスがブランド初の電気自動車=バッテリーEV(BEV)となる「スペクター」を日本初披露した。「ウルトラ・ラグジュアリー・エレクトリック・スーパー・クーペ」を自称し、第一にロールス・ロイスであること、第二に電気自動車であることを目指した2ドア・4シーター・クーペだ。

パルテオン・グリルはロールス最大

フロントにはロールス史上最大となるパンテオン・グリルとスプリット・タイプのヘッドライトを採用。グリルの角度やエンジン・フートの先端に立つロールス・ロイスのマスコットである「スピリット・オブ・エクスタシー」までが風洞実験を経て実現した0.25という空気効力係数(Cd値)はロールス史上もっとも低い。



後方ヒンジのコーチ・タイプ

フォルムは「レイス」のようなファストバック・スタイル。ボディ・サイドの下側にはヨットに着想を得たワフト・ラインが走る。ドアは後方にヒンジを持つコーチ・タイプ。ホイールは市販2ドア・クーペでは初という23インチを採用した。

ルーフ・ラインからの連続性を持ったリアエンドが張り出すリア・ビューもレイスを思わせるデザインだ。テールライトは縦長の四角形で、内部は金属とライトが縦にストライプを描く。

ボディ・サイズは全長×全幅×全高=5475×2144×1573mmで、ホイールベースは3210mm。クーペというよりビッグ・サルーンのような寸法で、車両重量は2890kgに達する。かつてのファントム・クーペを思わせる堂々たる体躯だ。



ドア・ドリムだけで4796個の光点

インテリアは最先端技術を駆使することでドレスアップの可能性を追求。これまでルーフライナーに用いてきたLEDでの装飾技法を応用し、ドア・トリムに4796個の光点を仕込んだスターライト・ドアや、5584個の光の集合体が車名のロゴとともに輝く助手席前のイルミネーテッド・ファシアがその好例だ。メーターはロールス初採用のフル・デジタル仕様で、内装に合わせた文字盤の色を選ぶこともできる。

シャシーはオールアルミのスペースフレームをベースに、約700kgのバッテリーも構造体として使用することで、これまでのガソリン・モデルより剛性を30%高めた。また、バッテリーは遮音機能も担っている。これに1000以上の機能が同時に情報交換できる分散型インテリジェンス機構や、ドライバーの操作と路面の状況へ的確に反応するプラナー・サスペンションを組み合わせることで、マジック・カーペットと比喩されるロールスの特徴的な乗り心地をさらに強化している。



カスタマイズは無限

パワートレインは最高出力584ps、最大トルク900Nmを発生し、0-100km/h加速は4.5秒で。最高速度は250km/hだ。航続距離はWLTP値で530kmと公表されている。

日本での発表会では、「プロフェシー」と名付けられた仕様が登場した。エクステリアは創業者のヘンリー・ロイスゆかりの地がモチーフのウィッタリングス・ブルーにマンダリンのラインが入る。インテリアはグレーとブルーにマンダリングのステッチやパイピングが加えられている。出費を厭わなければ、カラー・バリエーションをはじめとするカスタマイズ・メニューに際限はないだろう。

価格は4800万円で、納車は今年の第4四半期に開始される予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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