2023.09.30

CARS

マツダの魂が復活! MX-30のPHEVにロータリー・エンジンを搭載 価格は432.5万円から、発売は11月!!

MX-30ロータリーEVが国内でも発表

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2012年にRX-8の生産を終了してから11年。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)向けの発電用エンジンとしての採用ではあるものの、ついに、ロータリー・エンジンが帰ってきた。モータージャーナリストの高平高輝がリポートする。

マツダの意地と決意

RX-8の生産終了から11年、長らく噂に上っていたマツダのロータリー・エンジンが復活した。今年初めのブリュッセル・ショーで公開されていたMX-30ロータリーEVが国内でも発表されたのである。

サイドハウジングまでアルミ製となった8C型の排気量は830cc。

クロスオーバーSUVであるMX-30に追加されたのは、新規開発の8C型シングルローターを発電用エンジンとして使用するプラグインのシリーズ・ハイブリッド車である。

エンジンは830ccで、72ps/4500rpm、112Nm/4500rpmを発生。駆動用モーターの最高出力は170ps/9000rpm、最大トルクは260Nm/0~4481rpmというもので、MX-30のバッテリーEV(BEV)モデル(145ps)より強力だ。

基本的に同じプラットフォームに搭載されるリチウムイオン電池容量は17.8kWhとBEVモデルの半分、WLTCモードのEV走行距離は107kmとされている。

ロータリー搭載を主張するものは、エンブレムとエアロダイナミックな新デザインのアルミホイールぐらい。

特徴は何と言っても限られたスペースの中にプラグイン・ハイブリッドを成立させるために、コンパクトな発電用ロータリー・エンジン(ローター径は13Bより大きいが幅は狭い)という解決策を採用したことだが、実際にはいくつものハードルが立ちはだかったらしい。

たとえば直噴化したことで潤滑用オイルが洗い流される問題が発生、さらに軽量化のためにアルミ製となったサイドハウジング(サイドハウジング2個分で13 Bより15kgあまり軽いという)がローターのサイドシールで削られる問題も浮上したという。

前者はオイルポンプの位置やタイミングを工夫し、また後者は高圧フレーム溶射という手法でセラミック素材(サーメット)を溶射コーティングすることで解決を図ったという。これほど苦労してまで、しかも発電のために新型ロータリーを開発したのは、やはり合理性だけでは割り切れない、マツダの意地と決意があったと見るのが正解だろう。



ちなみに8Cは従来通り宇品工場で製造され、13Bユニット(RX-8の終了以後も補修用としてラインは残されていた)の組み立ては三次に移管されたという。

MX-30ロータリーEVは標準モデル(423.5万円)と上級の「インダストリアル・クラシック」、「モダン・コンフィデンス」、「ナチュラル・モノトーン」(478.5万円)、さらにロータリー復活を記念した特別仕様車の「エディションR」(491.7万円)が用意される。発売は11月の予定である。

文=高平高輝 写真=宮門秀行、マツダ



(ENGINE2023年11月号)

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