2024.07.02

CARS

重力を再定義したスーパーカー アヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェは、どんなランボルギーニだったのか? 「ニュル・ラップタイム、25秒短縮」の衝撃!

アヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェにバルセロナ、カタロニア・サーキットで試乗!

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雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2015年8月号に掲載されたランボルギーニ・アヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェのリポートをピックアップ。2015年3月のジュネーブ・ショウでデビューしたアヴェンタドールの高性能版、スーパーヴェローチェに、バルセロナのグランプリ・コースで試乗。ニュルブルクリンク北コースで、ノーマル版のラップタイムを25秒短縮する6分59秒73を叩き出したというSVの実力はどれほどか。本誌ムラカミの報告やいかに。

タイム・アタックではなくタイヤ・テストだった?


「重力を再定義する(REDEFINING GRAVITY)」と題されたアヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェ(SV)の国際試乗会は、今年のF1グランプリが終わったばかりのバルセロナ、カタロニア・サーキットで行われた。大小16のコーナーと1kmのホーム・ストレートを持つ全長4.6kmのグランプリ・コースは、750psの並外れたパワーを持つスーパー・スポーツカーの実力を思う存分テストするためには、またとない舞台だ。自らステアリングを握り、アクセレレーターを深く踏み込んで走る姿を想像しただけで武者震いが起きる。

カーボン・パーツの多用による軽量化と、ウイングやディフューザーの追加によるダウンフォースの向上を徹底的に追求したことが、一目でわかるアグレッシブな外観を持つSV。リア・ウイングやエア・インテークはもちろん、ドア・パネルやフェンダー部分にもカーボンが使われている。


試乗に先立つプレス・コンファレンスの中で見せられたビデオは、そのおののきを、さらに増幅するものだった。ニュルブルクリンク北コースでの映像。アヴェンタドールSVはそこで、6分59秒73という驚異的なラップタイムを叩き出したというのだ。7分を切ったこのタイムがいかに衝撃的かは、レクサスLFAのニュルブルクリンク・パッケージ7分14秒64、日産GT-RニスモNアタック・パッケージ7分8秒679、フェラーリのサーキット専用車599XX6分58秒16、ポルシェ918スパイダー6分57秒といった数字と比較すればわかるだろう。この中で、公道を走れる市販スポーツカーとしてSVより速いのは918スパイダーのみだ。しかし、ランボルギーニのヴィンケルマン社長は、インタビューの中でさらに強気な言葉を放った。すなわち、今回のニュルでの走りは、ユーチューブでも公開されている映像を見ればわかるように4、5回のミスを犯しており、それがなければ55秒以下だったというのだ。運転していたのはピレリのテスト・ドライバーで、タイム・アタック目的ではなくタイヤ・テストだったので、車両もタイヤも市販車とまったく同じものを使っていたという。

内装も同様で、アルカンターラに覆われたスポーツシートのシェルやドア内側のパネル、センター・トンネルなど、至るところがカーボン製だ。さらにルーフ内張りやコクピットのパーツには、新開発のカーボン・スキンを使用。


そこで私はこう質問した。それでは、SVはノーマルのアヴェンタドールと比べて、ニュルでどのくらい速くなったのか、と。その答えがまた衝撃的だった。なんと、20秒から25秒も速くなっているというのだ。ニュルの全長は20kmだから、1km1秒以上も速い!ことになる。

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