2023.10.27

CARS

マツダの魂、ローター・エンジンが復活 「MX-30ロータリーEV」はRX-7の13Bよりここが新しい

マツダが予約受注を開始した「MX-30ロータリーEV」は、11年ぶりにロータリー・エンジンを搭載するモデルとして大きな注目を集めている。

830ccの1ローター

8C型と呼ばれる新開発のロータリー・エンジンは830ccの排気量を持つ水冷式1ローター。最高出力の72ps(53kW)と最大トルクの112Nmを4500rpmで発生する。



ロータリーはタイヤを駆動しない

初代「コスモ・スポーツ」などに搭載された10A型や「サバンナ」、初代「サバンナRX-7」などに用いられた12A型、FC3S、FD型と呼ばれる後半2世代の「RX-7」や「ルーチェ」などにも積まれた13B型と異なるのは、8C型はエンジンの力で駆動するのではなく、シリーズ・ハイブリット用の発電用動力として使われる点だ。

パワートレインとしての用いられ方だけでなく、これまでの13B以前のユニットと比べると8Cは構造面に置いても大きく異なる。ひとつはローターが1つしかないこと。そして8Cはローターの径が大きく幅が狭い。ピストン・エンジンで例えるならロング・ストロークでボアが小さい、いわゆるロング・ストローク化された。また、ローター自体の形状を再度検討したり、直噴の導入、サイドハウジングのアルミ化など、大規模な改良が施されている。そのために、生産設備に高圧フレーム溶射という手法でセラミック素材(サーメット)を溶射コーティングする新工法を取り入れるなど、設計だけでなく製造段階においても新しい技術が採り入れられているのだ。



170psのモーターで走る

そんなローター・エンジンと組み合わされる駆動用モーターは170ps/260Nmを発生。その出力はMX-30の電気自動車=バッテリーEV(BEV)モデルよりも25ps高く、10Nm低い。駆動用モーターは発電用モーターとともにロータリー・エンジンと同軸上に配置され、すべてこれまでエンジンが鎮座していたボンネット下に収まる。

駆動用のリチウムイオン・バッテリーの容量は17.8kWh。35.5kWh あるBEVモデルの約半分で、一充電あたりの航続距離は107kmと、BEVモデルより149km減少している。ただし、MX-30ロータリーEVは15.4km/リッターで走行できる発電用エンジン用に50リッター燃料タンクを持つので、電池と併せたトータルでの走行距離はBEVモデルをはるかに凌ぐ。



1500Wの外部給電機能も搭載

走行モードは、電力走行を最大限利用する「EV」モード、エンジン発電を併用し走行性能を高める「ノーマル」モード、バッテリー残量を確保する「チャージ」モードの3つ。充電は交流普通とチャデモ式の直流急速の双方に対応し、最大1500Wの外部給電機能も備えている。

内装は既存のホワイトとブラウンに、MX-30ロータリーEV用にブラックを追加。よりシャープで、アクティブな印象を演出する。



復活を祝う初回限定車が登場

また、特別仕様車として「エディションR」を設定。Rはロータリー・エンジンの復活=「リターン」を意図してネーミングされた。内外装とも黒を基調とし、ルーフ・サイドにはマツダ初の乗用車であるR360クーペのルーフ・カラーをイメージしたマローンルージュメタリックを採用。フロアマットやヘッドレストにはローター形状がモチーフのバッジやエンボス加工が施されている。

11月発売で、価格は423.5万〜491.7万円となっている。



文=関 耕一郎 写真=宮門秀行、マツダ

(ENGINE WEBオリジナル)

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