2024.02.16

CARS

スーパーカーの王様 アヴェンタドールよりさらに速いアヴェンタドール、SVは、どんなランボルギーニだったのか?【『エンジン』蔵出しシリーズ/ランボルギーニ篇】

ランボルギーニ・アヴェンタドールLP750-4スーパーヴェローチェ

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中古車バイヤーズガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回は、2016年3月号のランボルギーニ・アヴェンタドールSVの記事を取り上げる。スーパー・スポーツカーではなく、スーパーカー。なかでも、アヴェンタドールのスーパーヴェローチェは、極めつけの1台だった!

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絶滅危惧種の最たる1台

村上 久々にスーパーカーのなかのスーパーカーに乗った、という感じ。今の世の中にスーパー・スポーツカーは数あれど、これぞスーパーカーと言えるのは、なんといってもランボルギーニ、しかも、V12気筒をミドシップに搭載したアヴェンタドールのみだと、今回、その高性能版であるスーパーヴェローチェに乗ってつくづくそう思った。とにかく、乗った瞬間から周りの空気がまるで違っている。緊張するとかしないとか、運転が難しいとか難しくないとかいう以前に、まずは自らの内なるパワーを全開にして、よし、運転するぞ、と心を奮い立たせないと、エンジンに火を入れることさえためらわれる。元気な時じゃないと乗れないクルマなんて、今時ほとんどない。その意味では、絶滅危惧種の最たる1台だよ。この世に存在しているだけでありがたい。日本に上陸したばかりのそれにいち早く乗ることができたのだから、もうそれだけで幸せというしかない。とにかく、行く先々でこの試乗車に対する注目度たるや、若者のクルマ離れなんてなんのその、まだまだクルマは人の目を引き寄せる十分なパワーを持っていると、確信させるものだった。



齋藤 注がれる視線が痛いほどだったよ。走っていても停めても、常に視線を感じる。高速道路の流れのなかにいる時には、次から次へと周りのクルマが引き寄せられるように集まってくる。いろんな角度からジーッと見つめている。アヴェンタドールでなければできない経験だよ。近年乗ったなかでは、マクラーレンとBMWのi8の注目度の高さは抜きん出ていたけれど、アヴェンタドール・スーパーヴェローチェはその比じゃない。その事実ひとつをもってしても、スーパーカーの王様だと思ったよ。これに較べると、フェラーリの注目のされ方なんて可愛いものだよ。フェラーリはスーパーカーではなくて、スーパー・スポーツカーなんだと思い知らされる。見てる目が違う。時に子供のような、時にギラついた男のような、驚きと憧れと畏れが入り交じった熱い眼差しがクルマの全身に注がれるのを感じないではいられない。クンタッチ(カウンタック)以来、変わることのないオーラを強烈に放っているんだろうね。尊敬に値するクルマだよ。これに敵うフェラーリはないよ。



村上 だけど、その分、走りに関しては多くを問わないというのがかつてのスーパーカーのお約束だった。ところが今や、走りに関しても本当にニュルブルクリンクでテストして7分を切る超絶級のタイムをたたき出し、その動画をユーチューブで公開しているのだから、文句のつけようがない。走り命のスーパー・スポーツカーも顔色を失うほどの本物の速さを備えている。このタイムは、ノーマルのアヴェンタドールより20秒以上も速くなっているのだそうで、ポルシェ918スパイダーとほぼ同等というのだから恐れ入る。


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