2023.10.24

LIFESTYLE

戦闘シーンはまるでAI版『地獄の黙示録』? SF大作『ザ・クリエイター/創造者』のアクションが凄い!

人類への恩恵か、それとも脅威か?

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人類とAIの闘いを描いた『ザ・クリエイター/創造者』が公開中。その最大の見どころはアジア的な要素をふんだんに取り入れたビジュアルと、ド迫力のアクション・シーンだ。

東洋の世界観をSF的に再構築

ChatGPTの誕生など、昨今のAI技術の進歩には目覚ましいものがあるが、映画の世界では古くから人工知能を題材にした作品が作られてきた。『2001年宇宙の旅』や『ブレードランナー』、『ターミネーター』はほんの一例だが、その多くがAIを人類への恩恵ではなく脅威として描いている。話題のSF映画『ザ・クリエイター/創造者』で人類を脅かすのも、まさに人間に反旗を翻した超高性能なAIロボットである。



AIの暴走により、ロサンゼルスに核爆発を引き起こした未曽有の惨事から10年。両者の間で激しい戦争が続く中、かつて特殊部隊に所属していたジョシュアは、AIと人間が共生する国家“ニューアジア”に潜入する。彼の目的は、人類を破壊する兵器を生み出した”創造者”を見つけ出し、暗殺すること。だがそこで出会ったのは、純粋無垢な少女の姿をした超進化型のAI、アルフィーだった。

AIは本当に人間の敵なのか? ジョシュアとアルフィーの間に生まれる絆を描きながら物語は思わぬ方向に展開していく。だが本作の一番の見どころは鮮烈な映像美とアクションである。舞台となる“ニューアジア”は、東洋の文化をSF的な世界に再構築した独創的なもので、渋谷を思わせる近未来的な都市の情景もあれば、チベット僧のごときAIが祈りを捧げる寺院も登場する。さらにAIのアジトとなる村はまるでヴェトナム戦争の舞台のよう。村に銃弾が降り注ぎ、自爆ロボットが炸裂する戦闘シーンのリアリティは、フランシス・フォード・コッポラの傑作『地獄の黙示録』を彷彿とさせる。圧倒的なビジュアルの力に目を奪われる、意欲的なアクション大作だ。



■『ザ・クリエイター/創造者』 監督は『ローグ・ワン/スターウォーズ・ストーリー』の大成功で世界的に注目されるようになったギャレス・エドワーズ。休暇中にアジアに滞在した体験から、本作のイメージを膨らませていったという。ロケ撮影で捉えたアジアの大自然にVFXを融合させた、壮大なビジュアルが見ものだ。主演は名優デンゼル・ワシントンの息子であり、『ブラック・クランズマン』、『TENET テネット』などの話題作で脚光を浴びるジョン・デヴィッド・ワシントン。またAIコミュニティのリーダーであるハルンには、渡辺謙が扮している。133分。全国公開中。配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン (C)2023 20th Century Studios

文=永野正雄(ENGINE編集部) 

(ENGINE2023年12月号)

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