2023.08.26

LIFESTYLE

懐かしくて新しい! インベーダーゲームやドンキーコングの人気が再燃? 注目を集める80年代のレトロゲーム

2020年にオープンした「ナツゲーミカド in 白鳥会館」

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筐体と呼ばれる機器にコインを投入して遊ぶゲーセン。店舗数の減少が進むなか、レトロにこだわる店が人気を集める。国内外からファンを集めるアーケードゲームの魅力とは……。

日本で飛躍的な進化を遂げる

80年代の日本のシティポップが世界的な人気だ。完成度の高い曲づくりが評価を集め、YouTubeのコメント欄はさまざまな国の言葉で称賛があふれる。だが、注目を集める日本の80年代はこれだけではない。マニアの間では「レゲー」と呼ばれるレトロゲームもそのひとつ。

ビデオゲームが最初に開発されたのはアメリカ。だが、日本のお家芸ともいえる緻密な研究と改良の繰り返しにより、極東の地で飛躍的な進化を遂げる。78年にタイトーが開発したスペースインベーダーが起爆剤となり、日本各地にゲームセンターが続々とオープンした。そして80年代、タイトーの他にもセガ、ナムコ、任天堂といったメーカーが技術を競って新機種を連打し、ゲームセンター業界は一気に活況を呈した。



「開発予算も潤沢で、まさにあの頃の日本でしかつくれないものでした」と語るのは、3店舗のゲーセンミカドを運営する池田稔氏。最先端だったコンピュータ技術に加え、ユニークなデザイン、シューティングや格闘といったヴァーチャルな物語性はグローバルな反響を呼び、海外でも熱狂的なファンを生んだ。

各地に「レゲー」を扱うゲーセンが

90年代以降から現在にかけて、残念ながら業界全体が衰退しつつある。家庭用ファミコンやオンラインでのゲームが浸透し、昔ながらの筐体は減少の一途。そうした逆風にもかかわらず、ゲーセンミカドのほか、各地に数十年前の「レゲー」を扱うゲームセンターがオープンし、支持を集めている。なぜだろうか。



「海外の製品はかなり緻密なものか、あるいは大雑把なものかの両極端です。その中間で出来のいい日本のゲームは今でも面白いんでしょうね」(池田さん)

バブル期ならではのつくりの良さも大きい。今のゲームに比べてはるかに単純な仕組みながら、はんだづけひとつとっても仕事が丁寧。コスト削減が進んだ90年代以降の筐体に比べると圧倒的に丈夫で、壊れても修理しやすいとか。

名の通り、80年代の機種は確かにレトロ。だが決してアナクロではない。つくり手の仕掛けとプレーヤーの攻略法の一騎打ちが、あの頃と同じようにワクワク感を駆り立てる。その舞台となる筐体は、これからもポップな魔法の箱であり続けるようだ。

文=酒向充英(KATANA) 写真=杉山節夫

(ENGINE2023年9・10月号)

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