2024.02.04

CARS

ジープ・ラングラー対メルセデス・ベンツG550、あなたはどっち派?「ラングラーはさらに荒野を目指し、Gクラスは高級サルーンの代用車になった」【『エンジン』蔵出しシリーズ/比較篇】

ジープ・ラングラーとメルセデスG550の対決!

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乗用車に近くなったGクラス

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荒井 一方のG550は普通の乗用車の味付けだった。

齋藤 ラングラーとは目指しているものがまったく違う。GクラスっていまやSクラスの代わりなんだよ。エンジン・ラインナップもSクラスとほぼ同じ。オーナーは背の高いSクラスを買っているんだと思う。

新井 ラングラーのように間口を広くしながら、なおかつオフロード・キングでいなければならないというようなモノではないですからね。



齋藤 フロントを独立懸架にして、リジッドからハイマウント・アームの乗用車的なダブルウィッシュボーンへと改良したのは、リジッド・アクスルのチョロチョロした動きを払拭するため。都会に住んでいる高所得者層は、街乗りや高速巡航が主体なんだから、そこで質の高い走りを提供する必要があるんだ。

荒井 高速道路の直進安定性は良くなったよねえ。ズバッと行くぜ! という感じ。

新井 先代までは手に汗握る感じがあったけれど、劇的に運転しやすくなった。



齋藤 僕は峠道で感じた、こんなにフロントをロールさせて綺麗に曲がるようになったんだなと。ステアリングで挙動をコントロールして、自由自在に走れるようになった。ライントレース性能がすごく高い。今まではライントレース性っていう概念がなかったからね。

荒井 高いアイ・ポイント、堅牢なボディ、大パワーのエンジンという組み合わせで安心感と優越感を与えている。それが好きという人は確かにいるよね。

齋藤 Gクラスは現代の軍用車としては使い物にならなくなっていた。米軍のハンビーと比べたらお子ちゃまな感じでしょ。ところが世界中の大都市、パリ、ニューヨーク、東京などに住んでいるお金持ちでインテリな人たちに支持された。だったら、その人たちが望んでいるクルマに仕上げるというのが、今回のフルモデルチェンジの最大の目的となった。最新のメルセデス・ワールドが広がるインテリアがそれを物語っている。

最新のメルセデス・ベンツに共通の巨大なディスプレイが、生まれ変わったことを主張する。一方、奥行のないダッシュボードや助手席のハンドル・バー、高いアイ・ポイントなど、伝統も継承する


新井 ところがメルセデス・ベンツはフルモデルチェンジと言わない。改良型と言っています。

荒井 そこがせめぎ合いだと思う。伝統の継承が求められているから。

齋藤 前脚とインテリア以外は何も変えたくないんだよ。


まったく違う2台

新井 乗ってこんなにいいクルマだとビックリしたのは、新型ラングラーだった。

齋藤 存在感が濃厚にあるという意味でも新型Gクラスに負けてない。

荒井 実際、ジープは日本で売れていて、いまや年間1万台超え。そのうち4割がラングラーだそうです。

齋藤 同じような生い立ちを持ちながら、まったく別のところに行きついたんだ。新型ラングラーはさらに荒野を目指し、新型Gクラスは高級サルーンの代用車になった。



荒井 フロント・スクリーンを倒し、ドアや上屋を外した丸裸の新型ラングラーを見ると、これが本当の姿だと感じるし、新型Gクラスはドア開けると、靴を脱がなきゃって思うほど高級だからね。

新井 2台のゴールが違っても、いまのSUV界のなかでは両方とも異端だっていうことは同じ。

齋藤 自動車ってそもそも馬の代わりだった。移動速度が速くなるとか、行ける場所が広がるといったある種の拡張マシンだった。ところが、どんどん自分でその自由を捨てて来た。いま、ほとんどのサルーンが深い轍があるようなところには行けない。クルマ用にきちんと舗装された道しか走れない。だけど、この2台は道なき道を走れるクルマだからね。自動車の本質的な魅力がそのまま残っている。そこが魅力だよね。

話す人=齋藤浩之+荒井寿彦+新井一樹(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

■メルセデス・ベンツG550
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4817×1969×1931mm
ホイールベース 2890mm
トレッド 前/後 1638/1638mm
車両重量 2460kg
エンジン形式 V型8気筒直噴DOHCターボ
総排気量 3982cc
最高出力 310ps/5250~5500rpm
最大トルク 62.2kgm/2000~4750rpm
変速機 9段自動AT
サスペンション 前 ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ 前&後 通気冷却式ディスク
タイヤ 前&後 275/55R19
車両本体価格 1593.0万円(2019年1月1日より)

■ジープ・ラングラー・アンリミテッド・スポーツ
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 4870×1895×1845mm
ホイールベース 3010mm
トレッド 前/後 1600/1600mm
車両重量 1950kg
エンジン形式 直列4気筒直噴DOHCターボ
総排気量 1995cc
最高出力 272ps/5250rpm
最大トルク 40.8kgm/2250rpm
変速機 8段自動AT
サスペンション 前 マルチリンク/コイル
サスペンション 後 マルチリンク/コイル
ブレーキ 前&後 ディスク/通気冷却式ディスク
タイヤ 前&後 245/75R17
車両本体価格 494.0万円

(ENGINE2019年2月号)

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