2024.01.20

CARS

初代ボクスター・スパイダーには重大な欠点が!? それを解決してくれたのがケイマンRだった!【『エンジン』蔵出しシリーズ/ポルシェ篇#16】

ボクスター・スパイダーの重大な欠点?を埋めるのがケイマンRだ!

全ての画像を見る
『エンジン』の過去のアーカイブから"蔵出し"記事を厳選してお送りするシリーズのポルシェ篇。今回は2011年12月号に掲載したケイマンRの記事を取り上げる。いうなればボクスター・スパイダーのケイマン版。ライトウェイト&スパルタンな最強ケイマンとは、どんなポルシェだったのか?

advertisement


ボク・スパにはアッと驚く重大な欠点が

軽いということが、スポーツカーにとっていかに重要な要素か。それを改めて実感させてくれたのが、昨年、日本に上陸したボクスター・スパイダーだった。幌を簡易な脱着式にした上でエアコンをはずし、ドアやリア・フードをアルミ製に換装して80kgも軽量化。同時にエンジンをパワー・アップし、足まわりにも専用チューンを施したそれは、走り出した瞬間から、「アッ、こりゃ気持ちイイ」と運転する者を笑顔にする軽快感に満ち満ちたクルマだった。



しかし、その時には気づかなかったが、そんなボク・スパにも重大な欠点がひとつだけあったのだ。残念なことに、サーキットで気軽にスポーツ走行が楽しめないのである。というのも、富士スピードウェイをはじめとする日本のサーキットでは、4点式以上のロールバーがついていないオープン・カーは幌を閉じないと走れない。ところが、ボク・スパの幌は簡易なもので、時速200km/hまでしか使えない。それでは、ストレートで軽く200km/hを超える富士のようなコースは、開けても閉めても走れないことになってしまう。一体、どうすりゃいいのよ。

という声が届いたのかどうか、そんな悩みを一発で解決してくれるスポーツカーが、またしてもポルシェから登場した。それがすなわち、このケイマンRなのでアール(失礼)。

フードがつかない大型3連メーターやカーボン・ファイバー製の軽量バケット・シート、赤いドア・オープニング・ストラップなど、レーシーな装備が魅力的だ。


ライトウェイト&スパルタンという手法はボク・スパとまったく同じ。ただし、こちらは簡易幌という手は使えないから80kg減とはいかず、ケイマンS比で55kg減にとどまっている。しかし、その代わりにパワーはボク・スパより10 ps高い330psを発生するし、ボディ剛性はむろん格段に高い。本気の走り好きにはこちらの方がリーズナブルに思えるのだ。


オールマイティな1台

実際に乗ってみると足は潔く硬い。可変ダンパーのPASMなどというヤワなものは装備していないから、路面によっては突き上げられて、固いフロアがドシン、バタンと上下することもある。剛性が高い分、ボク・スパより突き上げはきつい。しかし、一発で収まるから決して不快ではないし、慣れてしまえば街中で毎日乗るのにも十分に使える範囲内だ。



ライトウェイトと言っても、試乗車にはエアコンまで付いていたから、実際の減量などわずかに過ぎないはずだ。だから、エアコン・レスだったボク・スパの試乗車のような飛び切りの軽快感があったわけではない。けれど、それでもクルマ全体の動きは軽快感にあふれ、運転していて素晴らしく気持ちのいいクルマだった。

まず、なんと言ってもボク・スパより200rpm高い7600rpmまで回るようにチューニングされた3.4リッターフラット6の吹け上がりがチョー軽快で気持ちいい。それに、ステアリングを切り込んでいった時のクルマの動きが、運転する者の感覚にピッタリ合っていて嬉しくなってくる。

3.4リッターフラット6は330ps/37.7kgmを発生。全長×全幅×全高=4345×1800×1285mm。ホイールベース=2415mm。車重=1340kg(6MT)/1370kg(7PDK)。車両価格=980万円(6MT)/1027万円(7PDK)。


スポーツカーだからと言って、鼻先がピッピッと動くような安っぽい軽さとは違う。ほどよくソフトで、しかし驚くほど正確に、切ったら切った分だけスッと曲がっていくような動き。これこそが本物のスポーツカーのハンドリングだと、私などは運転しながら深く頷いたのであった。

もうひとつ付け加えると、これだけパフォーマンスが高くなり、ほとんど911に近づきながら、しかし近づけば近づくほど、やはり911とは根本的に違うんだと感じさせるのが面白いと思った。911のドンと後ろから押されるようなトラクションの掛かり方は、どう転んだってケイマンRには真似できない。しかし逆に言えば、スッとコーナーに進入し、クリップを長めに取って、インをなめながらスルスルッと立ち上がっていくようなコーナリングは、911には絶対にできないだろう。

そこで、結論。街中も高速道路も峠道もサーキットも、1台ですべてをこなしたい走り好きに、ケイマンRをオススメしたい。いつでもどこでも、飛ばしても飛ばさなくても、チョー快感が味わえるはずだ。

文=村上政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬

(ENGINE2011年12月号)

◆ENGINEWEBに掲載された「ポルシェのオススメ記事」の一覧はこちら!

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement