2024.01.17

CARS

これはまるでミドシップのGT3だ! ケイマンSより55キロも軽量化されていたケイマンRは、どんなポルシェだったのか?【『エンジン』蔵出しシリーズ/911誕生60周年記念篇#14】

例えて言えば、ミドシップのGT3か!

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911誕生60周年を記念して『エンジン』の過去のアーカイブから"蔵出し"記事を厳選してお送りするシリーズ。14回目の今回は、ボクスターのライトウェイト&スパルタンモデル、“ボクスター・スパイダー”に続き、同じ手法で軽量化とパワー・アップされた“ケイマンR”の2011年5月号のリポートをお送りする。当時、新たにミドシップ・ポルシェの最高峰の座についた新型の走りはどんなものだったのか。地中海に浮かぶマヨルカ島で開かれた国際試乗会から報告する。

“レーシー”の“R”

すでに日本上陸したボクスター・スパイダーの軽快かつ俊敏な走りっぷりについては、本誌でも、鈴木編集長や自動車担当デスクの齋藤が、何度も絶賛の記事を書いているが、そのボクスターより格段にボディ剛性が高いケイマンがあの軽さとさらなるパワーを手に入れたら、一体どんなスポーツカーになるのか。今回、その走りをいち早く体験する機会を得て、興味津々、国際試乗会の舞台となるマヨルカ島に飛んだ。

マヨルカ島のミニ・サーキットを駆けるケイマンR。シャシーは20mmロウ・ダウンされており、路面に吸いつくように走る。


試乗前夜のプレゼンは、“R”という文字が“レスポンス”や“リファイン”の“R”でもあるが、なにより“レーシー”の“R”を意味しているという説明から始まった。では、レーシング・カーに求められるものとは何か。それは言うまでもなく、徹底的な軽量化とより強大なパワー、それに加えてシャシー設定から空力に至るまで、クルマの走りにかかわるすべてにわたるチューニングということになるだろう。

ケイマンRの車重はケイマンSに比べて55kg軽い1295kg、パワーはプラス10馬力の330馬力となっている。たったそれだけと言うなかれ。そもそもが軽量につくられたスポーツカーのボディから、55kgを削るのは決して生易しいことではない。


その内訳を列挙すると、2枚のドアをスチール製からターボと同じアルミ製に換えてマイナス15kg。スポーツ・シートをカーボン・ファイバー製の軽量スポーツ・バケットに換えてマイナス13kg。エアコンを外してマイナス12kg。軽量ホイールを採用してマイナス5kg。ラジオを外してマイナス3kg。そして残りは内装の細々とした装備品などを省略してマイナス7kgという具合だ。

ケイマンSより簡素化されたインテリア。ドア・オープニング・ストラップの採用、ドア・ポケットの廃止、ドア・トリムの縮小、カップ・ホルダーの省略など、細部にわたって軽量化が図られている。


ちなみに、ボクスター・スパイダーの場合は、これに骨の付いたソフト・トップを外した分が加わって、80kgの軽量化が可能となったのだ。


一方、10馬力アップは排気系の変更とコンピューター・チューニングによるもので、エンジンの性格がより高回転型に変えられている。最高出力の発生回転数は200rpm高い7400rpm。さらにエンジン・マウントも強化してあるというから、乗り味にも影響を及ぼしているだろう。

足回りは専用に開発されたスポーツ・シャシーに換えられている。車高はケイマンSより20mm低められ、より短くて硬いスプリングと専用レートの前後スタビライザー、硬めのダンパーが装着される。電子制御式可変ダンパーのPASMはオプションでも設定されていない。重心は軽量化によってさらに2mm低い、マイナス22mmとなっているという。

標準装備されるカーボン・ファイバー製の軽量スポーツ・バケットシートは、ケイマンSのスポーツ・シートより約12kg軽いという。シート座面とバックレスト中央はアルカンタラ仕上げとなり、ホールド感も抜群だ。


そのほか、ロック率が加速時22%、減速時27%のリミテッド・スリップ・ディフを標準装備。空力については、フロントのリップ・スポイラーとリアの固定式スポイラーのおかげで、フロントが15%、リアが40%も揚力が低減しているという。

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