2023.11.03

CARS

世界最高峰のワンメイク・レース、フェラーリ・チャレンジがマシンを296GTBベースに変更

フェラーリの市販車をベースにしたレーシングカーで争われるワンメイク・レース、「フェラーリ・チャレンジ・トロフェオ・ピレリ」用の新型マシン、「296チャレンジ」が発表された。

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初のV6ミドシップ

これまで使用されていた「フェラーリ488チャレンジ・エヴォ」の後継車として選ばれたのはフェラーリの市販車としては初めてV6をミドシップに搭載した「296GTB」。自然吸気エンジンにプラグイン・ハイブリッド機能を組み合わせたフェラーリ新世代スポーツ・モデルの1台だ。



残念ながらPHEV機構は搭載せず

エンジンはベース・モデルと同じバンク角120度の2992ccツインターボを搭載。ちなみに、チャレンジ用マシンにV6が用いられるのは今回が初めてだ。ただし、先に開発された296GTBベースのGT3モデルである「296GT3」同様、公道用のロードカーには装着されているハイブリッド機構は持たない。ハイブリッドを採用しないのはレーシングカーにとって不可欠な軽量化と機構の簡略化のためという。エンジンの出力は700ps/740Nm。1リッター当たりの出力は実に234psに達する。

エクステリアは296GTBに固定式の大型リア・ウイングを加えるなど、エアロパッケージを大幅に改良。あらゆるコンディションで最高の空力効率を目指した。リア・ウイングの迎角が最大の場合、250km/hでのダウンフォースは870kgを超えるという。



シャシーもサーキット用に最適化

電子制御系もサーキット走行向けに最適化。296GTBではじめて導入されたABSエボ・トラックには特別な設定を採用。ブレーキは新開発のカーボンコンポジット・ディスクである「CCM-Rプラス」を用い、ブレーキ性能と安定性の向上を実現した。また、タイヤは専用開発されたピレリの19インチで、ハンドリングとパフォーマンスのアップに大きく貢献するという。

今季からすでに実戦投入されている296GT3にきわめて近い仕様を持つという296チャレンジ。欧州と北米の各シリーズで2024年シーズンから登場する予定だ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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