中日ドラゴンズと楽天イーグルスのセ・パ両リーグでホームラン王に輝いた山崎武司さんと愛車のランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ。
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きっかけはミニカー18歳でクルマの免許を取り、それから毎年のようにクルマを乗り換えてきた山﨑さん。クルマ好きになったきっかけはミニカーだった。「僕が子供の頃はスーパーマーケットのなかにおもちゃ屋があったんです。母の買い物に付いていくと、毎回トミカをひとつ買ってくれました。そのあと、スーパーカーブームが来ました。ジャスコの上でランボルギーニ・カウンタックを見て衝撃を受けました。オレは将来、これに乗るぞ! と思ったわけです」ちなみに初めて自分で買ったミニカーはボルボのステーションワゴンのレーシングカーだったそうだ。現在ミニカー・コレクションは8000台を超えていて、楽天でホームラン王になったときは、当時乗っていたランボルギーニ・ムルシエラゴLP640の山﨑武司モデルを特別に1100個限定で作ったそうだ。中日ドラゴンズにドラフト2位で指名された山﨑さん。18歳でトヨタ・ソアラ2.0GTツインターボを購入する。「中日ドラゴンズとの契約金は5400万円でした。母に“クルマだけは買わせてくれ、残金は全部あげるから”と言って、400万円でソアラを購入したんです。初めて自分で買ったクルマです。いま振り返ると、あのソアラが一番嬉しかった。何十台も乗り継いできましたが、やっぱり初めてのソアラの衝撃を超えるものはないですね」当時、有名な野球選手の愛車といえばメルセデス・ベンツ500SEL(W126)だったという。「僕は下積みが長かったから、メルセデスに行くまでは時間がかかりました。当時は先輩の許可がないと、メルセデスには乗れなかった。僕はクーペが欲しくて、お許しをもらったときに500SEC(C126)を買いました」
憧れのランボルギーニ・カウンタック購入を決意したのは1996年。中日ドラゴンズの外野手としてホームラン王に輝いた年である。山﨑さん、27歳のときだ。「現金2000万円を鞄に積めてクワトロ・バルボーレを見に行きました。気分は最高ですよ。ところが乗ったらこうなんですよ(笑)」こうなんです、と言いながら山﨑さんは首を斜めに傾げた。どうやら、首を傾けないと天井に頭が当たってしまったらしい。「当時は2台持ちという考えがなかったので、こんな姿勢では無理だろうと諦めました。クルマ好きの兄がSL好きで、カウンタックではなくメルセデス・ベンツSL600 6.0 AMGを買いました。当時、フェラーリ512Mが出たのですが、流石にフェラーリは分不相応だろうと思ったんです」それから3年、1999年に登場したフェラーリ360モデナを山﨑さんは購入する。「同級生でクルマ屋をやっている友人がいまして、お互いにすごく苦労してきたのを知った仲なんです。彼に“オレの最初のフェラーリはオマエから買う”と約束していました。その約束を果たすカタチで360モデナを手に入れました」翌2000年、ランボルギーニ・ディアブロVTを購入する。「初めてのランボルギーニはなかなかの迫力でした。おしりがデカくてね。僕はディアブロ、ムルシエラゴ、アヴェンタドールのなかでは、ディアブロが一番カッコイイと思っています。ミウラ? いや全然カッコイイと思わないですね。僕は新しいものが好きなんです。クルマの進化を楽しんでいる」最初に買ったボルボのミニカーといい、山﨑さんは直線基調のデザインが好きなようだ。先日、日本のプレミアム発表会でお披露目されたランボルギーニ・レヴエルトの購入も検討中だという。クルマは自分にとってご褒美だという山﨑さん。野球教室やサイン会には必ずスーパーカーで行く。「やっぱり子供たちに夢を与えたい。こんな出来の悪いオレでも一所懸命頑張れば、自分の夢が叶うのだと」そう言うとジャイアンは少し照れくさそうに笑った。文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=筒井義昭
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■山﨑武司
1968年愛知県生まれ。1987年に愛知工業大学名電高校からドラフト2位で地元・中日ドラゴンズに入団。アメリカやドミニカへの留学などを経て、プロ10年目の1996年にレギュラーに定着する。その年に松井秀喜との壮絶な争いを制し本塁打王を獲得。その後、オリックスを経て2005年からは楽天の創設メンバーとして活躍。創設期から主将を務めるなどチームを支え、2007年には39歳で本塁打王、打点王の2冠に輝き、ベテランの粋に達してもなお第一線で活躍する姿は「中年の星」として大きな支持を集めた。2012年からは古巣である中日に復帰。翌2013年に現役引退。引退後はスポーツ・コメンテイターとして活動する傍ら、企業や学生向け講演の講師やレーサーとして、またスポーツカーやミニカー、腕時計など多方面の趣味を活かし活躍中。(ENGINE2023年12月号)
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