2023.12.30

CARS

脱セダンの潮流は遂にここまで来た 【主筆ライター関が選ぶ、2023年の10大ニュース、第2位】

「ENGINE WEB」では、試乗記、ライバル比較、クルマ好きの著名人のクルマ人生を紐解くなど、数多くのクルマ関連記事を掲載。その中で軸となる「自動車ニュース」では、新型車の紹介などをはじめ、2023年は450本以上に及ぶ話題を取り上げてきた。今回は2023年にお届けした自動車ニュースから主筆を務める関 耕一郎氏に10大ニュースを選出。その第2位に選ばれたのは?

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SUVへと大変身を遂げたあのクルマが2位

ENGINE WEBで2023年に私が書き起こした約460本の自動車関連ニュースから気になる10本をピックアップ。2位は、日本最高級モデルに加わった新たなボディ・タイプだ。



センチュリーにSUVスタイルの新モデル登場

トヨタは2023年9月にショーファーカー像の新しい提案として、「センチュリー」にSUVタイプを追加した。ボディ・サイズは全長×全幅×全高=5205×1990×1805mmで、セダン・モデル比で全長が130mm短く、全幅が60mm広く、全高が300mm高い。ホイールベースは140mm短い2950mmだが、前後席間距離は85mm長い1220mm。乗車定員は4名だ。

プラットフォームが「アルファード」&「ヴェルファイア」や「クラウン」シリーズにも用いられているエンジン横置きの「GA-K」ベースというのにはやや驚かされたが、3.5リッターV6ベースのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)で、電気式4WDシステムの「E-Four Advanced」を搭載。262ps/335Nmの2GR-FXS型エンジンに、フロントが182ps/270Nm、リアが109ps/169Nmの電気モーターを組み合わせ、412psのシステム出力をマークする。



興味深くもあり、さみしくもあり

前後駆動力配分は、100:0〜20:80の間で緻密に制御し、発進や直進加速では60:40〜40:60、コーナリングでは進入から旋回中がほぼ50:50、脱出時には50:50〜20:80のリア寄りとする。また、前後駆動力配分に加え、4輪操舵やアダプティブ・ダンパー、ブレーキを統合制御して後席の快適性を高める「リアコンフォート」モードを新設定した。

より大きな室内空間を確保でき、電動化システムのレイアウトにも優位なSUVは、高級車の世界でも幅を効かせるようになった。さらに、レクサスが超高級ミニバンの「LM」を国内にも投入するなど、新たな選択肢の登場はじつに興味深い。もちろん、既存のセダン・ボディのセンチュリーが併売されるのも喜ばしい話だ。とはいえ、ショーファードリブンといえば贅を尽くした4ドア・サルーンという様式美が薄らぎつつあるのをさみしく感じるのも正直なところだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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