2024.01.09

CARS

日本で大人気のGクラスもいよいよEVに 【ジャパン・モビリティショー回顧録:メルセデス・ベンツ篇】

2023年に開催されたジャパン・モビリティショー2023は、展示内容はもちろんのこと、目標の100万人を超える111万2000人の来場者を記録し、大きな注目を集めた。ここでは、そんな大いに盛り上がったジャパン・モビリティショー2023をメーカー別に回顧。今回は第11弾として、数少ない輸入車メーカーからの出展となったメルセデス・ベンツを取り上げる。

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1台のトップスターが目当て

メルセデス・ベンツのジャパン・モビリティショー2023は、なかなか凄みの効いたラインナップだった。その中でも、ブースを訪れた観客の大半は1台のトップスターに出合うのがお目当てだったのではないだろうか。



EV版のGクラス

無論それは、ジャパンプレミアなった「コンセプトEQG」だ。電気自動車=バッテリーEV(BEV)専用ブランドの「メルセデスEQ」にラインナップされるクロスカントリー・タイプ(クロカン)の4WDだ。「Gクラス」のBEVモデルと言い換えてもいい。

伝統的なラダー・フレームに4つモーターを持つ先進的な駆動系を組み合わせたEQGは、IAA2021(ミュンヘン・モーターショー)で世界初公開。2023年のIAAでは、より市販車に近づいたプロトタイプが発表された。この電動化時代のゲレンデヴァーゲンをひと目拝もうというのが、会場でスリーポインテッドスターのブースを訪れる大きな動機となったはずだ。



最速最強のCクラスも初披露

もちろん、購入できるクルマを求めるリアリティ重視派は発売目前だった「メルセデスAMG C63 S Eパフォーマンス」の方がお気に召したかもしれない。電力アシスト付きターボを装備した2.0リッター直4をフロントに縦置きし、電気モーターと自動変速の2段ギアボックス、電子制御LSDをひとまとめにしたユニットをリアに搭載した4WDで、システム総合出力は680ps/1020Nmを発生する史上最強のCクラスだ。0-100km/h 3.4秒の加速性能を誇るいっぽうで、13kmの電力走行を可能とする。

メルセデスAMGからはもう1台、「S63Eパフォーマンス」が登場した。フロントに612ps/900Nmを発生する4.0リッターV8ツインターボ、リアに190ps/320Nmの電気モーターと2段電動変速機、電子制御LSDをまとめたC63と同じ構成を持つ電力駆動ユニットを搭載し、システム全体の性能は802ps/1430Nm。0-100km/h加速は3.3秒で、EV走行可能距離は37kmというモンスターサルーンだ。展示車両は限定30台の「エディション1」だったため、じつは希少な対面の機会だった。



AMG以外はすべてEV

そのほかの展示車両は、メルセデスEQの市販モデルが2台。独特なマルチトーン塗装が目を引いた「EQS」は「EQS450+」の30台限定車であるエディション1、「EQE SUV」は「350 4マチック」の発売記念モデルである「ローンチエディション」がブースに並んだ。

海の向こうで姿を現したばかりの「コンセプトCLA」も来場すれば、華やかさは格段に上がっただろうが、スケジュールなどの都合を考えると難しかったのは容易に想像できる。むしろ周囲を市販車のみが固めたことで、コンセプトEQGが際立つ内容になったといえるだろう。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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