2024.01.23

WATCHES

いま一番注目の時計かも! 人気沸騰中の「エルメスH08」 発売予定の最新クロノグラフも見逃せない!!

「エルメスH08」の成功を受けて2023年はブルー、グリーン、イエロー、オレンジのカラフルな3針モデルを発表(各108万200円 予価)。

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メゾンの新たな代表作として人気沸騰中の「エルメスH08」。高度な技術、独創的なデザイン、素材の融合とは? CEOのローラン・ドルデさんにインタビューした。

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メンズで売り上げナンバーワンを記録

「時計はエルメスのフィロソフィーに合っています」と語り始めたローラン・ドルデさん。理由は、他の製品と同様に時計も職人技の世界であるのと、デザインの差別化ができ、次世代まで長く使えるからだという。エルメスは20世紀前半からコレクションに時計を加えていたが、自社工房をスイスの時計都市ビエンヌに設立して製造を開始したのは1978年からだ。

ローラン・ドルデさん 1968年フランス生まれ。1995年にエルメス・インターナショナル経理部門に入社。その後シルク部門責任者、レザー部門の最高責任者を歴任し、2015年に時計部門のラ・モントル・エルメス(現エルメス・オルロジェ)CEOに就任して現在に至る。創意豊かなオリジナルデザインとともにスイスに構える製造拠点で機械式モデルの充実を図り、エルメスを老舗の高級時計ブランドと並ぶ存在へと成長させた立役者。

「当時ジャン=ルイ・デュマ(創業家5代目社長)が目標に掲げたのは、一流時計メーカーと同等の技術レベル、他とは違うクリエイティブなデザインでした。現在の時計に宿るエルメスらしさもまさにそこにあると思います」

実際にそれを裏付けるのは、ムーブメント専門会社のヴォーシェで作られるエルメス専用の機械式ムーブメントや、傘下の工房で製作されるケースやダイアルなどである。

「製造もデザインもスイスです。フランス人デザイナーがスイスで考案したものがパリで承認され、商品化へと進むわけです」

最近注目を浴びるのが2021年発表の新コレクション「エルメスH08」である。「発表と同時に世界で評判になり、メンズで売り上げナンバーワンを記録しました」と成功を喜ぶドルデさん。「目指したのは、マスキュリンでスポーティな個性をもち、シーンを問わず一日じゅう着けてもらえる時計ということ。着けていることを忘れるくらい軽量かつ堅牢な素材もポイントでしたね」。

そこで選ばれたのが、従来のエルメスの時計とは趣のまったく異なるハイテク素材。2021年デビュー作ではチタンやグラフェンコンポジットを導入し、23年最新作では3針モデルにグラスファイバー、クロノグラフにカーボンコンポジットを用いた。ハイテク素材が独特の個性の強調に効果を発揮しているのは言うまでもない。

「H08の新しいフォルムを開発するときも差別化が重要でした。時計のフォルムにはすでにありとあらゆるものがある。ならば、それらをミックスして丸でも四角でもない幾何学フォルムを創作してはどうかと考えたのです」

あらゆるフォルムからどこにもないフォルムを導き出すという創意は何とも洒脱。それこそエルメスに息づくエスプリに他ならない。技術、デザインともに一段と磨きがかかった最新クロノグラフも発売予定。エルメスのファンはもちろん、本格クロノグラフの愛好家にとっても絶対に見逃せない秀作だ。

文=菅原 茂 写真=阿部昌也(人物) Joel Von Allmen(時計)

さらに2024年は、グラフェンパウダーを混合したカーボンコンポジットをケースに用いたモノプッシャー・クロノグラフも発売予定だ。


(ENGINE2024年2・3月号)

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