2024.01.31

CARS

ヤフオク7万円で買ったシトロエン、真夜中の立ち往生の原因となった緑の液漏れ地獄から復活! ふたたび天国へ!【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#31】

横浜みなとみらいで行われたボルボの試乗会に行ったとき、駐車場で遭遇したハイドローリック・シトロエンたち。わざわざ一番端の人気のないところに駐めておいたのに、あえてトナラーになって並べた犯人は、オーナーの同業の編集者たちだ。

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キャリアカー代は片道で12万円強!

三井住友海上保険からロード・サービスを依頼されてやって来た東京・目黒のアシストという会社のサポートもまた、手際よく安心して見ていられるものだった。こちらの状況をすぐに理解し、10分もかからずエグザンティアはキャリアカーに載せられた。



また、偶然予定が空いていたのだろう。アシストのスタッフによれば、通常は日をまたぐとドライバーの交代などで別のキャリアカーへ車両を載せ替えるそうだが、この夜の引き取りから翌日の搬送まで、このままエグザンティアは同じキャリアカーで運べるという。エンジンを始動する度にLHMが漏れ出し、路面や車体を汚すのは忍びなかったので、これもとても有り難かった。

エグザンティアを見送り、受け入れ先である主治医のカークラフトには朝イチで電話し、キャリアカーの運転手と時間調整をしてもらうことにして、僕はタクシーで帰宅。布団に入ったのは、深夜2時を少し過ぎた頃だった。

翌日、車両の受け渡しの電話対応や、レンタカーの手配も特に問題なし。特にレンタカーは自宅以外にも出先の指定場所まで、持ってきてもらえるのがとても助かった。なお、故障時は最大15日程度利用できるそうで、この時は1.6リットルの4代目スバル・インプレッサ・スポーツが代車としてやって来ている。

なお今回の車両引取、搬送などにかかった出費は以下の通り。
(※2022年9月時点)

臨時帰宅金の免責額         1,000円
(※故障場所〜自宅までのタクシー代7,860円のうち6,860円を保険負担)

レンタカー費用           0円
(※9月2日〜10日、スバル・インプレッサ・スポーツのレンタカー代56,000円を保険負担)

車両搬送費用            0円
(※キャリアカーによるピックアップと、故障場所〜カークラフトまでの搬送代123,220円を保険負担)

移動費用の免責額          1,000円
(※レンタカー返却先最寄り駅〜カークラフトまでの引取交通費6,220円のうち、5,220円を保険負担)

合計                2,000円

前述の通り、修理後、車両を自宅まで搬送してもらうことも可能なのだが、作業内容をカークラフトで細かく聞いておきたかったし、再発防止のためのテスト・ドライブもしたかったので、電車を乗り継いで引き取りに行っている。なお、この場合、往路の電車代は保険の対象だが、復路の高速道路代、燃料代などは対象外だそうだ。

いやはや、それにしても、こうして改めて数字を見るとなかなかヘビーな金額だ。深夜のピックアップに加えて200km近い移動だったとはいえ、搬送費用は12万円を超えている。改めて、これを自分で支払うことになったらと思うとゾッとする。加えて、この金額は、あくまでも修理代とは別なのだ……。



……では、肝心の修理代そのものはいくらだったのか。作業終了の連絡を受け、9月10日の夜、訪れたカークラフトで手渡された修復の工賃と部品代(かっこ内に記載)の明細は以下の通りである。
※部品価格などは2022年9月時点のもの

LHM漏れのあるホース摘出、改良、組み付け  12,000円
(※一部ホースをアクティバから流用のため0円、
LHM 3リットル4,200円)

鈴虫のような異音対策としてマフラー耐熱シールド脱着、
シフト・ケーブル干渉調整、防音材取り付け  4,800円
(※部品代なし)

油温センサー交換、エンジン・オイル補充   他作業に含む
(※油温センサーはアクティバから流用のため0円)

合計                    21,000円

まず今回の事件の原因となったLHMの流れるリターン・ホースは、漏れている部分を切断し、内部を確認してみると、やはり経年劣化で大きくひび割れたのが原因だった。



以前報告した通り、このホースは純正品がもうない上に、複雑に曲がり、かつ分岐していて、入口と出口の径が異なり、しかもLHMというある意味特殊な液体に侵されてはならないという、とにかく代用品が造りにくいものである。

カークラフトでは抜本的な対策として、LHMのリターン・ラインをワンタッチ・ジョイントとチューブに変更する部品をテスト中なのだが、まだこの時点では完成していなかった。これはホースの代わりのチューブがもし接続部で劣化し割れてしまったとしても、その部分だけを切り取り、ワンタッチで再接続できるという、クリップいらずの画期的なもの。詳細については、また回を改めてご報告したいと思う。

取り急ぎ、今回は部品取り車のアクティバからホースを外し、一部を切り取って、オリジナルのホースとの間に金属のジョイント・パイプを設けて繋いでおくことにした。



なお、このホースの修復後、2000rpm回転付近で鳴る、ジリジリという鈴虫のような異音退治の一環としてエグゾースト・パイプ周辺の点検をしていたのだが、作業中に油温計の赤いランプが突如点灯。こちらもオイルパンに付く油温センサーの経年劣化が原因だった。

ホースに続いて、この小さなセンサーもアクティバから流用して事なきを得たのだが、新品だと価格は1万2420円(2022年9月時点)もするらしい。



またしても、部品取り車があるのはありがたいことだと思い知らされた。もしリポート車と同色同仕様の解体車でもあるなら、もう1台くらいは確保しておきたいくらいである。

そして、本当に天国へ?

さて、今回はまたしても地獄行きかと大慌てしたのに、蓋を開けてみれば比較的軽傷だったという少々恥ずかしいオチとなってしまった。ではその後はどうだったのかといえば、実は秋が過ぎ、冬を越え、2年目の春を迎え、この時から1万km以上距離を重ねてもなお、天国の日々が続いたのだ!!

次回以降はその間に起こった細々した出来事や、1年間乗ってみての燃費、消耗の度合い、そして国内外からさらに収集した部品たちについてご報告していく。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=上田純一郎/カークラフト

■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年9月時点までの支払い総額は232万336円)
導入時期 2021年6月
走行距離 16万5626km(購入時15万8970km)

(ENGINE WEBオリジナル)

◆エンジン編集部ウエダのシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート連載一覧はコチラ
ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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