2024.02.20

CARS

マセラティのスポーティ・クーペ、グラントゥリズモSに隠された秘密とは? イタリア・モデナの工場ラインにはアルファの8Cの姿があった!【『エンジン』蔵出しシリーズ/マセラティ篇】

マセラティ・グラントゥリズモSにイタリア、モデナで試乗。

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中古車バイヤーズガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回お送りするのは、2008年8月号に掲載したマセラティ・グラントゥリズモSの国際試乗会のリポートだ。グラントゥリズモのデビューから1年、マセラティが次なる矢として放ってきたのは、その高性能版“S”だった。トランスアクスル式6段シーケンシャルMTと排気量をアップしたフェラーリ製V8で武装したそれに、同社の本拠地モデナで試乗した。


アイム・マセラティ

グラントゥリズモSの国際試乗会は、イタリア・モデナにあるマセラティ本社を拠点に行われた。

試乗の前日、まずは同じ敷地内にある工場を見学。2年前、クワトロポルテ・スポーツGTでここに来た時とは少し様子が違うのに気づいた。

ロング・ホイールベース、ショート・オーバーハングの美しいプロポーション。


工場の脇には屋根だけあるパーツ置き場のようなものが新設され、フェラーリから運ばれてきた青や赤のシリンダー・ヘッド・カバーを持つV8やギア・ボックスが、梱包を解かれぬまま並んでいる。工場のラインも2本から3本に増えており、以前の長閑な空気はもうなかった。それもそのはず、2年前には1日25台と聞いた生産台数が、今では40台にまで増えているというのだ。

そこここに、「アイム・マセラティ」と書かれたポスターが貼られているのも目についた。増加する従業員に会社への帰属意識を高めさせるための社内キャンペーン用のものだという。マセラティはいま、大きな変化の節目にいる。

新しいグラントゥリズモSは、工場の中央にあるラインでつくられていた。ところが、そこにはもう1台、別のクルマが混じっていた。アルファロメオ8Cコンペティツィオーネだ。このスーパー・アルファの最終アッセンブリーがマセラティの手に委ねられているとは聞いていたが、まさかグラントゥリズモSと同じラインでつくられているとは。

実はこの2台、ボディ以外の基本シャシーとパワー・トレインは共通する部分が多く、それで同じラインでつくっている、とマセラティの広報担当者。「違うのはホイールベースの長さとフロント・ブレーキ、ギア・ボックスくらい。もちろんボディは8Cの方が300kgも軽いけど」とまで言われて、興味が湧かないわけがない。もう少し細かく説明してもらった結果は以下の通り。


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