2024.02.12

CARS

中古車で楽しむ最強エンジン! 世界最速ワゴン、アウディRS6の580馬力5リッターV10ツインターボ・モデル! 【『エンジン』蔵出しシリーズ/アウディ篇】

怒涛の速さを誇るV10ツイン・ターボのアウディRS6アバント。

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中古車バイヤーズガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回は、2007年のフランクフルトでデビューした2代目アウディRS6が日本に上陸した時の2008年9月号の記事をお届けする。580馬力の5リッターV10ツインターボ搭載の怪物マシンにサーキットで試乗したリポートだ。


クワトロ社によって開発・生産

アウディRSシリーズは、Sシリーズとは異なり、アウディ本体ではなく、100%子会社のクワトロ社によって開発・生産されるスペシャル・スポーツ・モデルだ。動力性能の高さの割にアンダーステイトメントな外観を持つSシリーズに対して、こちらはこれでもかとばかりに性能を誇示するのを良しとしている印象がある。たとえば大きく張り出した前後フェンダーひとつとっても、この新型RS6がタダモノではないことは一目瞭然。それでも下品に堕ちることなく、ギリギリ崖っぷちでとどまっているところに、アウディのクルマづくりの巧みさがあるというべきなのだろう。

タイヤ・サイズは275/35R20で、足には対角線上のダンパーのオイル・ラインを繋いだダイナミック・ライド・コントロール(DRC)を装備する。


セダンとアバントの両方があった先代に対して、今度はアバントしかない。単純に、先代でアバントの方が良く売れたからということなのかも知れないが、アウディ史上最強となる580馬力の5リッターV10ツインターボ・ユニット(しかも、オイル潤滑はドライサンプ方式!)を搭載するのが、セダンではなくアバントだというところが、実に暗示的で興味深い。

新型RS6の最高速はリミッターで規制される280km/h。0-100km/h加速は4.6秒。新型ポルシェ911カレラ(PDK仕様)の最高速がリミッターなしでも287km/h、0-100km/h加速は新型RS6より0.3秒遅い4.9秒だと言えば、これがいかに飛び抜けたモンスター・マシンであるかがわかろうというものだ。

2002年にデビューした初代RS6の心臓は450馬力の4.2リッターV8ツインターボだったが、2代目はそれを130馬力も上回る、最高出力=580ps/6250-6700rpm、最大トルク=66.3kgm/1500-6250rpmの5リッターV10ツインターボを引っさげて登場。


むろん、世界最速のステーションワゴンである。いや、セダンを含めたって、これを超える動力性能を持ったクルマなど、世界広しといえども数えるほどしかあるまい。それでも世界最速を名乗るにはアバントでなければならない。だから、セダンはやめにしたのだ、と考えるのが、一番筋が通るようにも思える。

と、まあ、そんなことをつらつら考えながら、試乗の舞台となる富士スピードウェイに赴いたのである。


怒濤のように突進する

試乗時間は1時間。そのかん、何周サーキットを走ってもいいと言われたのには驚いた。これは相当な自信のあらわれだ。なにしろ、新型RS6の車両重量は2160kgもあるのだ。いかに新型のブレーキが大幅に強化されているとはいえ、全開走行したら、2周も走ればフェードしてしまうのではないか。

コクピットには専用のピアノ・ブラック・パネルを使用。下部が平らのステアリング・ホイールも専用だ


ところが、しなかったのである。20分近く連続走行するあいだ、フェードの兆候すら見せなかったのは、誠にアッパレと言うしかない。

それにしても、RS6はなんと速いのだろう。コーナーを立ち上がり、ひとたびアクセレレーターを下まで踏みつけると、ドラム・ロールのような激しいビートを伴ったエンジン音を響かせて、怒濤のように前へ前へと突進していく。富士の長いホーム・ストレートでは、アッという間にメーター読み250km/hを超え、まだまだ加速する勢いを見せた。260km/hをあとにして270km/hに届こうかというあたりで、恐くなってアクセレレーターを徐々に戻し始めたことを正直に告白しておこう。この日、RS6とともに、R8の試乗車も用意されていたのだが、直線では圧倒的にRS6の方が速かった。

しかし、コーナーでは逆にR8の方に分があったことを認めなければならない。RS6からR8に乗り換えると、重い革靴を脱ぎ捨て、軽いスポーツシューズに履きかえたような開放感を覚えた。サーキットではR8の軽さ、楽しさの方が際立っている。それに比べて、RS6にはどこまでも重厚さがつきまとう。それでも、RS6にはR8やポルシェ911のようなスポーツカーでは絶対に得ることのできない独自の効用がある。いかなる緊張感をも感じさせることなく、リラックスしたまま、驚くべきスピードで何時間でも走り続けるビジネス&レジャー・エクスプレス。時間も含めて、欲しいものはなんでも手に入れないと気が済まない人向きのクルマである。

文=村上 政(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬

ティプトロニック6段ATを介して4輪を駆動する。外観上の特徴はマット調フロント・グリルに大型エア・インテーク、大きく張り出した前後フェンダー、リアの左右に突き出したオーバル・テール・パイプにマット・ブラックのディフューザー。全長×全幅×全高=4930×1890×1475。ホイールベース=2845mm。車両重量=2160kg。車両本体価格=1660万円


(ENGINE2008年9月号)

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