2024.02.13

CARS

ワゴンじゃないカッコいいボルボ、C30 中古車になっても魅力的!【『エンジン』蔵出しシリーズ/ボルボ篇】

中古車も超お買い得か! ボルボC30

全ての画像を見る
中古車バイヤーズガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回は、シリーズ初登場のボルボ篇! お送りするのは5気筒モデルだけの展開だったスモール・ボルボに、待望の4気筒エンジン搭載機種が加わった2009年5月号のリポート。身近な価格で登場したけど、中古車もグッとお買い得か!?

advertisement



どうして5気筒だけだったのか?

こざっぱりとした仕立ての室内に収まって走り始めると、スーッと溜飲の下がる思いがした。ボルボの新しいC30 2.0eパワーシフトは、清々しいクルマだ。

日本初導入となる1998ccの自然吸気エンジンは145ps/6000rpm、18.9kgm/4500rpmを発揮する。価格はC30/S40/V50の2.0e Powershiftが279.0/289.0/299.0万円。装備内容がより充実する2.0e Aktivはそれぞれ314.0/324.0/339.0万円。これまでより最大で46万円も安い値付けだ。


ボルボといえばワゴンというイメージに、新風を吹き込んだC30。そのいちばんの魅力は、やはりデザインだと思う。ハッチバック・カーとしての使い勝手のよさをさほど犠牲にせず、フル4座のクーペに仕立て上げたデザイン力は並々ならぬものだ。

走らせてもそれは不満の少ないクルマだ。でも、こんど加わった4気筒モデルのまとまりのよさを知ってしまうと、これまでの5気筒モデルには、どこか過剰なところがあったのだと気づかされる。

C30はセダンのS40やステーションワゴンのV50とプラットフォームや機械構成を同じくする。そのプラットフォームは親会社のフォードがフォーカス用に開発したものがベースである。クルマの器の大小を決めるのはプラットフォームだから、ボルボのC30/S40/V50も、1.6~2.0リッターぐらいの排気量のエンジンを載せたときに最もまとまりのいいものになるはず、と考えていい。もちろん、フォーカスには2.5リッターターボを押し込んだSTや、それをさらにブーストアップしたRSまで登場したぐらいだから、ゴルフ級モデルのプラットフォームとしてはかなり度量の大きなものではある。

デュアルクラッチ変速機のマナーはコンベンショナルなトルコン付き多段ATを顔色なさしめるほどにスムーズ。制御プログラムも優れていて、マニュアル変速モードを使う必要をほとんど感じない。


日本で販売されてきたボルボC30やS40/V50には、5気筒の2.44リッター自然吸気型と2.52リッターターボ過給型が用意されてきたけれど、この2つのユニットは大きなS60やV70の主力ユニットとして使われているものと同じ。C30/S40/V50にあっては、シリーズのトップエンド・モデル用というのが本来の意図だ。一方で、欧州市場向けには4気筒エンジンもちゃんと設定されてきた。1.6、1.8、2.0リッターの3機種から選べるのである。日本に輸入されなかった理由はたったひとつ。自動変速機との組み合わせがなかったからである。

日本ではだから、ボルボ・フルラインナップのボトムエンドを担うクルマであるにもかかわらず、5気筒のみを搭載し、上級仕様に特化してこれまでやってきた。必然的に価格も高めのものとならざるをえないわけだ。

フォーカス譲りのプラットフォームの容量が大きいのと、脚の基本設計がいいおかげで、これといってどこにも破綻のない仕上がりだったけれど、高出力の5気筒エンジンを鼻先に押し込んでいたから、脚は硬めのものとせざるをえなかったし、タイヤもボディ・サイズを考えると太めのものが着いていた。いろいろと過剰なものを飲み込んで仕立てられていたわけである。

タイヤは205/55R16サイズ。



デュアルクラッチ付きでやってきた4気筒

ところが、新たに日本市場へも導入されることになった2.0リッターモデルは、走らせ始めたとたんに、腑に落ちるまとまりの良さが味わえる。少し硬めの乗り味は5気筒モデルと基調を同じくするものだけれど、そこに重厚感ではなく、清涼感がある。タイヤにしても16インチ型前輪ブレーキと干渉しない最小サイズのものが採用されて、足もとがバタつくこともない。

肝心の4気筒エンジンは、ポート噴射式燃料供給システムと吸気管長切り替え機構を備えた自然吸気型。ごく普通の内容だ。けれど、どの回転域でも自然なレスポンスを見せる扱いやすい性格は好ましく、当たりがつけば、さらに軽快感を増すだろうと期待させる素性の良さをもっている。



最大のトピックはこれに組み合わされる変速機が、ゲトラグ製の6段型を採用した最新のデュアルクラッチ式であることだ。自動変速機としてのマナーは、多段ATのそれに匹敵するほど滑らか。あえてマニュアルで変速しようという気が起きない。それぐらいイイ。

しかも、である。一部装備の見直しなどもあって、価格がググッと下がった。C30なら279.0万円、S40は289.0万円、V50でも300万円を切る299.0万円のモデルが用意されている。これもまた朗報である。

文=齋藤浩之(EMGINE編集部) 写真=望月浩彦

(ENGINE2009年5月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement