2024.08.26

CARS

6リッターV12自然吸気エンジン、6段マニュアルのヴァンティッジを走らせる! 限定1000台のアストン・マーティンは、どんなスポーツカーだったのか?

6リッターV12で6MT!ってとんでもないアストンだ!!

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ご存じ中古車バイヤーズ・ガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の過去の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている人気企画の「蔵出しシリーズ」。今回は、2009年8月号に掲載されたアストン・マーティン・ヴァンティッジのリポートを取り上げる。当時、95年のアストン・マーティン史上、最高のポテンシャルが与えられたスポーツカー、とアストン自ら謳うV12ヴァンティッジは、果たしてどんな走りを見せたのか。ドイツ・ニュルブルクリンク周辺で開かれた国際試乗会からの報告の模様をお伝えする。


ニュル24時間レース

V8ヴァンティッジのコンパクトなボディに、どんな魔法を使ってか、一昨年デビューしたフラッグシップ・モデル、DBSが搭載する517psの6リッターV12エンジンを押し込んでしまったのだから、このV12ヴァンティッジがアストン史上最高のポテンシャルを誇るのも当然の話だ。

V12エンジンをフロント・ミドに、6段MTをリア・ミドに搭載し、車両重量の85%をホイールベース内に収める。前後重量配分はV8の49対51から51対49に変化した。


実際、6段マニュアル・トランスミッションを持つV12ヴァンティッジの0-100km/h加速4.2秒、最高速305km/hというメーカー公表値は、同じパワートレインを有するDBSをわずか0.1秒と3km/hながら上回っている。

そもそも、このV12ヴァンティッジのコンセプト・カーがヴェールを脱いだのは2007年12月。英国・ゲイドンにある本社工場に隣接してデザイン・センターが新設され、そのオープニング・セレモニーが行なわれた時のことだった。それからわずか1年と少しの間に、製品化することができたのは、このクルマがV8ヴァンティッジやDBSから多くの技術移転を受けているからとはいえ、驚くべき迅速さだ。

あたかもエンジン・ルームに無理やり押し込んだかのような巨大なV12ユニット。ドライ・サンプ化はされていない。


今回、国際試乗会の舞台としてドイツのニュルブルクリンクが選ばれたのは、同じ時期に開かれていた24時間耐久レースに、V12ヴァンティッジが市場投入前の最終テストを兼ねて参戦していたからで、アストン・マーティンのCEO、ウルリッヒ・ベッツ氏もドライバーとして名を連ねていた。我々が現地に到着したのは、予選が行なわれた5月22日金曜日の夜。試乗会はその翌日、決勝レースが午後4時に始まる前の時間を利用して行なわれた。

試乗会の拠点となったのはニュルブルクリンクの近くにあるアストン・マーティン・テスト・センター。まずはV12とV8、2台のヴァンティッジを前にしてのプレゼンテーションから始まった。


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