2024.06.02

CARS

「走りはまさに、究極のグランドツーリング」 モータージャーナリストの佐藤久実がベントレー・コンチネンタルGT Sほか5台の注目輸入車に試乗!

モータージャーナリストの佐藤久実さんが5台の輸入車に試乗。

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BMWアルピナXB7「走ればやっぱりアルピナ」

意外にもアルピナが手がけるSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)セグメントは、このXB7が初という。もともと“これ見よがし”ではなく、洗練されたデザインでBMWとの差別化を図っていたが、このセグメント故か、知る人ぞ知る、という感じの控えめなのが印象的だ。試乗車は、インテリアにもアルピナのトレードマークであるブルーとグリーンのステッチは見受けられず、ヘッドレストに同色でロゴが入っていたり、クリスタル仕様のギヤセレクターがあったりという感じ。だがしかし、走ればやっぱりアルピナ。ハイパワーで、ラグジュアリーかつフラットライドな乗り味に仕上げられている。

奇しくも、同乗されたEPC会員の方は、D3ツーリングの納車待ちだという。試乗経験があるので、「期待を裏切る心配はありませんよ」とお伝えしたが。長納期ではあるが、待ち焦がれる時間も楽しんでおられるようだ。アルピナの話題に留まらず、難しい質問も投げかけられたりしたがクルマ談義に花が咲き、大いに元気を頂いた。




キャデラック・エスカレード「乗員みんながハッピー」

今回担当した試乗車はすべてビッグサイズのクルマばかりだったが、最後にドカーンと超弩級が登場。全長5mオーバー、全幅2mオーバーのこれぞアメリカンと言わんばかりのフルサイズSUV、エスカレードは存在感抜群。運転席に座ると、インパネ部にはトータル38インチ(!)のLEDディスプレイがレイアウトされる。センター・コンソールには冷蔵庫も。レザー・シートは質感高く、フロント・シートはヒーター、ベンチレーション、マッサージつき。2列目はキャプテンシート、そして3列目も狭さや視界の悪さなどに虐げられることなくちゃんと居住空間が確保されている。さらに、ウルトラビュー・パノラミック電動サンルーフが装備され、3列目でも閉塞感がなく、どのシートからもパノラマビューを満喫できる。

1列目から3列目まで、乗員みんながハッピーでいられる上質で広々した室内にいると、ファミリーや仲間との行った先でのコト体験はもちろんのこと、車内の「移動時間」そのものを楽しめることが容易に想像でき、元気をもらえそう。




ランドローバー・ディフェンダー110 V8「ライフスタイルそのものが元気の源」

一見して「タフさ」が伝わってくるディフェンダー。そして、クルマにとって、デザインがいかに大事かを実感する。まず見た目が気に入らないと、居住性はどうだろう、走りは楽しいかなって、その先の興味に進まないから。丸目ライトのフロントマスクはちょっとファニーフェイスなのに、垂直基調のスタイルは逞しく、でも、ちゃんとバランスされている。室内に入ると、タンレザーのインテリアが広がる。上質さがあり、快適でありながらシンプルで、過剰な豪華さがない絶妙なバランスが“ランドローバー”ブランドらしさを物語っている。

野太いサウンドでトルキーなV8エンジン、逞しいボディにふんわりした乗り心地の走りも快適だ。デザインもさることながら、本格的オフロード性能を備えるオールラウンダーとしての魅力も高い。

こんなクルマがガレージにあったら、天候など気にせず、いつでもどこへでも出かけられる。日常はもちろん、旅行やキャンプ、海や山へも。そんなライフスタイルそのものが、“元気の源”になりそう。

文=佐藤 久実

(ENGINE2024年4月号)

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