モータージャーナリストの藤野太一さんが注目の輸入車5台に試乗
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モータージャーナリストの藤野太一さんがエンジン大試乗会で試乗した5台のガイ車がこれ! ベントレー・コンチネンタルGT S、BMWアルピナXB7、ジープ・ラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xe、ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ、ミニ・ジョン・クーパー・ワークスに乗った本音とは?
魅力はいくつもあるけれど先日、知人女性からクルマ探しの相談をうけた。これまで国産SUVを乗り継いできたけれど、そろそろガイシャに、できればポルシェのスポーツカーに乗ってみたいという。スポーツカーはまったくの初体験というので、木更津のポルシェ・エクスペリエンス・センターでちゃんとアクセルとブレーキを踏む体験をすることを勧めてみた。718と911を乗り比べ、その性能の凄さに驚き、さすがにもてあまし、やはりSUVの実用性は捨てがたいと感じたという。日をあらためてマカンに試乗すると「運転する感覚が、ポルシェのスポーツカーとまるで同じ。うちの車とはまったく違う」と口にし、彼女は喜んでマカンを購入した。ブランドとかデザインとか性能とか希少性とかヘリテージとか、ガイシャの魅力はいくつもあるけれど、私自身のクルマ選びもそうであるように、結局のところ“運転が楽しい”ということに尽きるのだと思う。
ベントレー・コンチネンタルGT S「即座に浸れる」今回用意された36台の試乗車のうち、どれか1台に乗ってかえっていいと言われたら、コンチネンタルGTを選ぶ。本当は2024年4月で生産が終了するW12エンジン搭載モデルがいいとか、屋根開きのGTCがいいとか、Sのようなスポーティなものより、スピードやマリナーのようなラグジュアリィな仕様がいいとか、好みをいいだすとキリがないけれど、いずれも素晴らしいモデルであることに変わりはない。運転席に座るとメタルパーツをふんだんに用いた各種スイッチやエアベント、それこそウインカーやワイパーレバーの先にまでローレット加工が施されており、即座にベントレーの世界に浸れる。エアサスペンションや48Vアンチロールシステムなどの恩恵もあって、ステアリングを握っていると、大きさや重さをまったく感じさせない。乗り心地はフラットでウルトラスムースだ。ドライブモードには、足を引き締め、エグゾーストを高めるスポーツモードも用意されていたが、すぐにコンフォートに戻した。体育会系はあまり似つかわしくない。この時代にあえてクーペ、とても洒落た選択だと思う。
BMWアルピナXB7「まさにアルピナ・マジック」2025年にBMWグループへの商標権の譲渡を控え、新規開発は終わりを迎えつつあるアルピナ。XB7は、マイチェン後の上下2段に分割された特徴的なヘッドライトを受け継ぐモデルだ。変わったのは顔つきだけではない。4.4リッター V8エンジンが、N63型から最新世代のS68型へ変更されており、最大トルクの発生回転域が広くなり、また48Vマイルドハイブリッド・システムも追加されている。動き出しからウルトラ・スムース。補機類などのノイズもなく静粛性の高さもあって、低回転域ではまるで電気自動車で走っているように感じる場面もあった。アクセレレーターに力を込めると、アルピナ・チューンのV8エンジンらしく精緻さと気持ちよさを味わわせてくれる。そしてアルピナ独自のサスペンションの仕立てによる、コンフォート・プラス・モードのまったり感は格別。23インチのピレリPゼロで、この乗り味をつくりだす手腕はまさにアルピナ・マジックといえるものだ。キャブレーターとクランクシャフトを紋章に掲げ、電気自動車は手掛けない矜持をもつアルピナ社のラスト・オーダーはもう間もなくだ。
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