2024.06.13

CARS

「2030kgの車体を軽々と異次元の世界に加速させる」 モータージャーナリストの松田秀士がマセラティ・グレカーレ・トロフェオほか5台の注目輸入車に試乗!

モータージャーナリストの松田秀士さんが5台の注目輸入車に試乗

全ての画像を見る


advertisement


マセラティ・グレカーレ・トロフェオ「気品がある」

ボリューム感のあるこの優雅なデザイン。それでいて彫刻のような手作り感。決してプレスされたラインではないかのような、張り出したボディ。マセラティのモデルはどれをとっても気品がある。グレカーレはそのマセラティの未来を現わしている。

グレカーレには300psと330psを発生するマイルド・ハイブリッドの廉価版モデル(といっても1000万円弱)があるが、試乗したのは530psを発生する3リッターV6エンジンを搭載したトロフェオだ。インテリアは歴史あるマセラティらしく天然皮革、カーボン・ファイバー、さらには木材を使った落ち着きのある調和のとれたデザイン。ドライバーズ・シートに腰かけると、ゆったりと落ち着き、誰かと会話したくなる。しかしトロフェオのメカニズムはスゴイ。心臓部はMC20に搭載されたネットゥーノ・エンジンをベースにした530ps/620Nmバージョン。これに8段ATが組み合わされ2030kgの車体を軽々と異次元の世界に加速させる。パドルを操作してシフトのアップ・ダウンをするたびに、とびきりのエグゾースト・サウンドが元気にしてくれるのだ。




メルセデスAMG S63 Eパフォーマンス「あっという間にワープ」

コックピットに腰かけた瞬間から元気がもらえるダッシュボードのデザイン。いわゆる最近のメルセデス調の2枚の大型タブレットのようなディスプレイ。それ以外のボードはちょっとケバイぐらいの色調。さらにステアリング・ホイール上に集約されたスイッチ類が心に刺さる。パワートレインは4リッターV8ツインターボに電気モーターを組み合わせたPHEV。F1テクノロジーを謳うその総合出力は802ps、最大トルク1430Nmと超ド級!

0-100km/h加速は3.3秒。4マティック+の4WDシステムに後輪ステア。さらにAMG専用開発のエア・サスペンションとダンパー。この世にあるすべてのアイテムがふんだんに盛り込まれている。アクセレレーターを踏み込めば、歩くような超低速を補うモーターパワーからいつの間にかV8内燃機関にバトンされ、あっという間にトップエンドの6000rpm超えにワープする。すさまじい加速と表現したいところだが、いたって普通に感じるのだ。スピード・メーターを確認するまではね。パワーを使い切っていても扱いやすい。そこが真のF1テクノロジーなのかも。




プジョー408GTハイブリッド「不思議で気取っている」

ファストバック・スタイルの精悍なフォルムに、彫の深い厳つい前後のコンビネーション・ランプ。新しい408は少し攻撃的なデザインだ。なんとなく交感神経を刺激して元気にしてくれそう。コックピットもやっぱり彫の深い造形。メーターは3Dで浮き上がらせる、プロジェクション・マッピングのような見せ方が不思議感を誘う。そして小径のステアリング・ホイールの上からそのメーターを眺める独特なドライビング・ポジション。これがまたなんとも言えないフランス的なお洒落さ。そう、キャビン内は不思議で気取っている。そこがまた408が私を元気にしてくれるポイントだ。

プラグイン・ハイブリッドで約65kmもEV走行ができる。モーター駆動のみで走るときの超室内静粛性は、国産PHEVにはない「静」を感じさせる乗り味。19インチ・タイヤなのにロード・ノイズも耳障り感がなく、乗り心地はストロークを大切にしながら腰のしっかりしたフィール。1.6リッター直4ターボの最高出力/最大トルクは180ps/250Nm、モーターは110ps/320Nm。この総合加速も私を元気にしてくれる。

文=松田 秀士

(ENGINE2024年4月号)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement